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ITで全ての情報を見える化し 世界基準の安心・安全を確立くにみ農産加工有限会社 [ 大分県国東市 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

大分県を代表する農作物として定着してきた、国東半島のバジル。就農者を増やしながら生産量確保を目指すための取り組みとして力を入れてきた“農業のITシステム”が評価され、2024年に『パートナーシップ構築大賞中小企業特別賞』を受賞。「世界一おいしいバジルを、地域と共に」の実現に向けて、また一歩前進しました。

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西日本初の「パートナーシップ構築大賞 中小企業特別賞」を受賞

経済産業省が関係府省庁と協力し、サプライチェーン全体の共存共栄を目指すために推進されている『パートナーシップ構築宣言』。事業者に対し、サプライチェーン全体の付加価値向上や、大企業と中小企業の共存共栄を目指す活動を推進するもので、「発注者」側の立場から、「代表権のある者の名前」で宣言するものです。2020年からはじまったこの取り組みに賛同し、多くの企業が宣言をはじめていて、登録企業は20243月時点で44000件をこえています。

2024年に『パートナーシップ構築大賞中小企業特別賞』を受賞。

ITで全ての情報を見える化し 世界基準の安心・安全を確立している、くにみ農産加工有限会社

2024年、西日本初となる『パートナーシップ構築大賞中小企業特別賞』を受賞した『くにみ農産加工有限会社』は、1981年の創業以来、国東半島で農業や加工品のノウハウを蓄積してきました。25年以上前からはバジルに着目し、生産者との連携や加工品づくりに取り組んでいます。

「世界一おいしいバジルを、地域と共に」の実現に向けて、また一歩前進

山に囲まれた国東半島は平野が少ないため、大規模な農地を確保することが難しい地域。そのマイナスを逆手にとって、「ここでしかできないものを」と、小規模の農地を点在させることで生産量確保ができるバジルにたどりついたのだといいます。

ITシステム『KUNIMAX CLOUD』で、世界の食品基準を満たす農業

「世界一おいしいバジルをつくっている」と胸を張る代表取締役社長の吉丸栄市さん。おいしさの追求と同時に進めてきたのが、世界基準の安心・安全です。小規模農家を巻き込みながら地域をあげたバジル生産に取り組み、食の安全を担保するためのITシステムを構築してきました。また、加工工場は、2017年に国際的な食品基準認証であるFSSC22000の認証を取得。「サプライチェーンを産地から」を実現し続けています。

おいしさの追求と同時に進めてきたのが、世界基準の安心・安全

安心・安全・おいしいを実現し、世界で勝負できる農作物や加工品をつくるためには、徹底した品質管理が必要です。しかし、国東半島に点在する契約農家(パートナー)一軒一軒の意識を高め、認識を統一することは決して簡単ではありません。そこで開発したのが、独自のクラウド管理システム『KUNIMAX CLOUD(クニマックスクラウド)』です。世界的な食品基準を意識した農作物・加工品づくりを実践するためには、トレーサビリティが必須。しかし、小規模農家にとっては負担も大きいため、簡単な入力で作業履歴を残せるシステムを完成させました。農薬散布のタイミング、収穫日、定植日など、全ての工程の見える化を実現。品質管理の徹底はもちろん、履歴が蓄積されるほどに、それぞれの作業の適切な時期を見極めることができるようにもなり、「秀品率も99%以上と高水準を維持しています」(吉丸社長)と、クオリティは年々高まっているそうです。

独自のクラウド管理システム『KUNIMAX CLOUD(クニマックスクラウド)』

未来を創造し、地域・業界に貢献する農業

加工事業者としては、各契約農家の栽培履歴は安心・安全・おいしさをはかる目安として手に入れたいデータ。しかし、これまで生産者ごとの栽培履歴がありませんでした。その理由のひとつは、普段の作業に加えてプラスアルファの業務が増えてしまい、負担が大きいことです。だからこそ『KUNIMAX CLOUD』の開発で考慮したのは、誰もが扱いやすいシステムであること60代以上の生産者が使うことを想定した操作性により、幅広い世代が使いやすいシステムの構築に成功しました。「農家さんの本来の仕事である農作物に向き合う時間に集中できる環境づくりをしたかったんです」という、生産者に寄り添いながらも徹底した品質管理を実践したいという吉丸社長の思いを実現しました。

また、秀品率や収穫量などで評価をつける“生産ランキング”をつけ、全ての契約農家がクラウド上でいつでも見られるようにし、努力や成果がきちんと評価される仕組みをつくっています。ランキング上位の生産者に師事したり、次はもっと上を目指そうという意識が高まったりと、農業偏差値が上昇し続けています。

『KUNIMAX CLOUD』の開発で考慮した誰もが扱いやすいシステム

KUNIMAX CLOUD』は、特許と著作権を取得。生産者の声を取り入れながらリニューアルも重ねています。「今後は外販も目指していきたいです」と吉丸社長は、自社だけにとどまらず業界全体のIT化にも貢献したいと意気込みます。

『KUNIMAX CLOUD』は、特許と著作権を取得。生産者の声を取り入れながらリニューアルも重ねている

生産者の負担を根本解決し、地域をあげて価値ある商品をつくる

現在、契約農家は120軒以上に増え、新規就農や若手人材の確保など、農業界の人材不足解消にも貢献しているといえます。小規模農家とのパートナーシップを強固なものにしながら、生産者がしっかり儲かる仕組みをつくることで、農業の未来を明るくする。これこそが本当の意味での『農業による地域活性化』だといえそうです。

「安心・安全にどこまで投資できるかだと思います。前例がないからこそチャレンジする価値があります」と吉丸社長。安全、安心、おいしさのどれかひとつでも欠けてしまえば、同社が目指す「世界一」にはなれません。生産者の技術とITをかけあわせることで、生産者も、消費者も、みんなを笑顔にしたい―。これからも地域が一丸となって、価値ある商品をつくり続けます。

生産者の技術とITをかけあわせることで、生産者も、消費者も、みんなを笑顔にしたい。

「安心・安全にどこまで投資できるかだと思います。前例がないからこそチャレンジする価値があります」と吉丸社長。

くにみ農産加工有限会社

PROFILE

設立年月
1981年11月
代表取締役
吉丸 栄市
事業内容
野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業

CONTACT

住所
大分県国東市国見町櫛来214-14
TEL
0978-82-0600
FAX
0978-82-0735
HP
http://www.kunimix.jp/

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