牧場から産地直送。話題のやぎミルクをもっと身近に。木村山羊牧場 [ 大分県大分市 ]
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2005年から山羊を飼い2017年に大分市佐野にオープンした木村山羊牧場。やぎミルク、チーズ、アイスクリーム、石けんなどを自社で製造・販売しているほか、やぎミルクから作るペットフードも話題に。人にも動物にもやさしくておいしいやぎミルクの魅力発信に尽力しています。
木村さんご夫妻
昔からの憧れを実現。夫婦二人三脚で“やぎミルク”の魅力発信
雄大な自然に囲まれ、ゆったりとした空気が流れる佐野地区に山羊牧場をひらいた木村さんご夫婦。「60歳を前に自分のやりたいことをやろうと思っていてね。夢が叶いました」とうれしそうに話すご主人の憲一さん。
約3000㎡の牧場でのびのびと暮らすやぎは現在約60頭、別の場所にも7000㎡の採草地や牧場を借り、大好きなやぎたちと過ごす毎日。「牧場に来るのは毎朝5時。好きでやっているから苦ではありませんよ」と憲一さん。やぎの世話は憲一さん、加工品の製造は奥様の喬子さん。夫婦二人三脚でやぎミルクの魅力発信につとめています。
昭和40年代に行われていた久住高原開発の一環で、畜産基地を作る取り組みを知った憲一さんは、当時の大分県久住種畜場に3年間勉強に通うなど、畜産業への憧れをずっと抱いていたそうです。ペットとしてやぎを飼いはじめたところ、ミルクのおいしさも知りました。「たくさんの人にこのおいしさを広めたい」という長年の思いを実らせ、念願の牧場をオープン。
加工品として最初に誕生したのは、やぎミルク100%で作った『やぎミルクアイス』。濃厚な甘さながらさっぱりとした口当たりが人気をあつめ、自社の看板商品となりました。
その後、『やぎミルク』も商品化。さらにミルクの搾乳量が順調に伸びてきたことから、次に製造をはじめたのがチーズでした。以前から、喬子さんが家族のためにとチーズを作っていたそうで、その味は憲一さんも太鼓判。ゴーダやカマンベールの他、チーズを作る行程で出る水分(ホエー)を使ったリコッタチーズも製造しています。
様々な加工品は、地元佐賀関の道の駅やフェリー乗り場の売店、イベント出店など、大分県内を中心に販売。『やぎミルクソフト』『やぎミルクプリン』『やぎミルクロール』など、各店舗限定の商品も販売しています。
ゆったりとした空気が流れる山羊牧場
やぎミルク100%で作った『やぎミルクアイス』
山羊のミルクで作ったチーズ
業界が注目するやぎミルクの栄養価と美容効果
木村山羊牧場で飼育しているのは、全て血統証付きの“日本ザーネン”。やぎミルクの本場ヨーロッパで乳用として最もポピュラーなザーネンを日本で改良した品種です。まっしろで愛らしいやぎたちと毎日向き合う憲一さんは、子やぎの買い付けから交配、出産、搾乳に至るまで全て一人で行いながら、やぎの販売もしています。九州の牧場にいるやぎの中には、ここで生まれた子たちも多いんだそう。
やぎミルクの魅力は高い栄養価にあり、成分は人間の母乳に近いといいます。マグネシウム・カリウム・タウリンなどを豊富に含み、消化吸収が良いので「牛乳でお腹を壊してしまうけど、やぎミルクなら飲めるという人も多いんですよ」と憲一さん。
また、脂肪球が非常に小さいことから肌への浸透率が高いという特長を活かし、大分県国東産のオリーブオイルやヒマワリオイルなどの保湿・美肌成分と合わせて『やぎミルク石けん』を開発。クレオパトラも美肌を保つためにやぎミルクのお風呂に入っていたといわれているそうで、赤ちゃんも使えるやさしい石けんとして注目されています。
木村山羊牧場で飼育しているのは、全て血統証付きの“日本ザーネン”
九州の牧場にいるやぎの中には、ここで生まれた子たちも多いんだそう
ペットフードの売り上げが急成長。企業とのコラボ商品も開発中。
栄養価が高く吸収率も高いやぎミルクは、ペット用としても注目を集めています。ペットショップなどから「店頭で販売したい」という声も多く、その取引先は県内外に広がっています。また、動物病院からの紹介で直接買いに訪れる飼い主も多く、オンラインショップでの売り上げも好調です。
ペットフードの開発をはじめたのは、大手ペットフードメーカーから寄せられた「やぎミルクチーズを使って、塩分不使用のガムをつくれないか」という声からでした。人が食べるチーズはすでに販売していましたが、ペット用を作るのははじめて。「犬が好む堅さにするのがむずかしくて苦労しましたね」と振り返るお二人。試行錯誤を繰り返し、3年がかりでようやく理想の形にできあがりました。そのノウハウを活かし、自社製品として製造しているのが『犬用チーズスティック』。他にも『犬猫用やぎミルク』と、高齢の犬や食の細い犬も食べやすい『犬用チーズふりかけ』などラインナップが増加。
ペットショップオーナーやブリーダー、動物病院など専門家をはじめ一般消費者にもクチコミで広がっています。「やぎミルクを使って商品を作りたい」という声も増え、ペット用やぎミルクを原材料として提供する機会も増えているそうです。
飼育や加工品販売が軌道に乗り始めた今も、専門家の集まりや勉強会にと全国を飛び回る憲一さんは、「産地(牧場)から加工まで私たちの手が加わっていることが安心感につながっているのかもしれませんね。2人でやってるから大量生産はできないけれど、やぎミルクの魅力をもっと多くの人に知ってもらえるようにがんばります」と意気込みます。
やぎミルクを使ったペットフード
ペットショップオーナーやブリーダー、動物病院など専門家をはじめ一般消費者にもクチコミで広がっている
木村山羊牧場
PROFILE
- 代表取締役
- 木村 喬子
- 事業内容
- 酪農食品、加工品販売
CONTACT
- 住所
- 大分県大分市佐賀関1380-2
- TEL
- 097-575-2470
- FAX
- 097-576-7610
- HP
- https://yagi-kimura.com/