閉じる
メルマガだけのお得な情報満載!大分の食にまつわる旬な情報をいち早くお届けします。たすきのメルマガ。無料会員登録はこちら。
個別相談依頼は
こちら
大分乾物有限会社[きくらげ生産・加工場]-エブリディきくらげ!3万菌床。 大分乾物有限会社[きくらげ生産・加工場]-エブリディきくらげ!3万菌床。

実は天ぷらが美味!自慢のきくらげの用途も広げたい大分乾物有限会社 きくらげ生産・加工場 [ 大分県国東市 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

きくらげといえば中国産だった2006年、菌床栽培方法も確立されていない中、一から栽培に取り組み始めました。現在は、生産から加工、販売までを行っているからこそ追求できる自慢のきくらげを、全国に出荷。自ら培った生産ノウハウを契約農家に惜しげなく公開し、安心安全でおいしいきくらげの生産者も増やしています。

代表取締役社長 南 一久さん

代表取締役社長 南 一久さん

この記事をシェアする

きくらげは、栄養豊富なキノコ

きくらげは、実はキノコです。「椎茸のように出汁は取れないけど、鉄分やビタミンは椎茸より豊富なんですよ」というのは、『大分乾物』の代表であり、きくらげの栽培から加工、販売までを行う南一久社長。

その栄養価のため、給食や病院食でも欠かせない食材として重宝されているきくらげは、椎茸嫌のように匂いもなく、プリプリ・コリコリと食感もいいため、子どもたちも好んで食べるのだそう。食物繊維も多いため、お通じをよくしてくれると女性にも好まれ、最近は免疫効果も期待されています。

栄養豊富で給食や病院食でも欠かせない食材として重宝されているきくらげ

栄養豊富で給食や病院食でも欠かせない食材として重宝されているきくらげ

乾物屋がきくらげを栽培?

『大分乾物』の主力商品は、大分県の特産品である干し椎茸です。しかし乾物の需要が減ってきているのも事実。次の新しい取り組みを思案しているとき、たまたま言われた「国産きくらげはないですか?」という言葉が出発点になりました。

当時、きくらげといえばほとんどが中国産。「日本産きくらげなんて、聞いたことがなかった」という南社長自身も、きくらげを使う料理といえば、「豚骨ラーメンとチャンポンくらいしか、思い浮かばんかった」と言います。実際、「ラーメンしか使い道がないのに、こんなもんが売れるんかな?」と思ったと言いますが、乾物屋ゆえに乾燥きくらげの販路はあります。「売り先はあるんだから、なんとかいいものを作れば売れるんじゃないかということで、2000個の菌床ブロックから栽培を始めました」。

一から始めた栽培は、苦難の連続

新たに完成した菌を使い、栽培を始めたのが2006年。きくらげの栽培には、18〜30度の温度と、70〜80%の湿度が必要です。梅雨は栽培が簡単ですが、春や夏は温度と水分量の管理が非常に厄介。

スプリンクラーが24時間稼働し、定期的に霧のような水を噴霧されているのですが、雨が降ったら噴霧をしない時間を作ったり、気温が高い日には噴霧量を増やしたり。温度と天候を見ながら、日々微調整が必要になります。「だからもう10年以上、朝8時の温度を記録し続けているんですよ。毎日毎日、ずーっと」。

そして酸素の入れ替えをこまめにしなければ、酸欠になって形が変形してしまうため、十分な酸素の供給も重要です。ハウスの場合は天井や両サイドを開けて風を通し、倉庫のような栽培室では30分ごとに15分間、換気扇で外気を取り込みます。

「1日では結果は出らんのです。怠けて異常が出れば、正常に戻すには1週間かかる。だから、1日1日を大事にしてないと」。最適な栽培環境で、形のそろった美しいきくらげを収穫するため、休むことはできません。

スプリンクラーが24時間稼働し、定期的に霧のような水を噴霧されている

スプリンクラーが24時間稼働し、定期的に霧のような水を噴霧されている

栽培室では30分ごとに15分間、換気扇で外気を取り込んでいる

栽培室では30分ごとに15分間、換気扇で外気を取り込んでいる

より高い品質を求め、より良い栽培方法を探求

菌床の元となっているのは木を砕いたチップのため、虫が発生してしまうのも悩みのタネでした。それを解決するため、様々な栽培法を試した結果、たどり着いたのがピンホール式。

菌床の表面を覆っているビニールに、オリジナルで作成した専用工具を使っていくつかの穴を作り、そこから酸素に触れた菌がきくらげを開かせます。菌床が表に出る部分が少ないため虫もほとんど発生せず、収穫の効率も格段にアップしました。当初は日本産がなかった乾燥きくらげでしたが、現在は販売量も増えたため、自社で3万菌床を栽培。

それでも販売量に追いつかなくなったため、新規の栽培農家を増やしています。取引を了承してもらった農家さんには、自社のノウハウをしっかりと伝え、収穫した全てを買い取ることで、高品質のきくらげ栽培を実現させています。こだわりと努力を積み重ねた『大分乾物』のきくらげは、2018年8月に有機JASの認証を取得しています。
また、収穫が終わった菌床は堆肥化。ネギやバジルの堆肥として有効に活用しています。

菌床の表面を覆っているビニールに、オリジナルで作成した専用工具を使っていくつかの穴を作り、そこから酸素に触れた菌がきくらげを開かせる

菌床の表面を覆っているビニールに、オリジナルで作成した専用工具を使っていくつかの穴を作り、そこから酸素に触れた菌がきくらげを開かせる

自社で3万菌床を栽培

自社で3万菌床を栽培

栽培から洗い、乾燥まで一手に引き受ける

収穫したきくらげは、二層式の洗濯機で洗い、異物や汚れを徹底的に取り除きます。そして脱水し、乾燥機で乾燥させるのですが、乾燥前にケースに並んでいるきくらげは色もよく形も揃っていて、何よりツヤツヤでとても美しいのです。それは徹底した水分管理と、一番良い状態で収穫するために手をかけている証し。

その品質の良さが分かるのが、乾燥したきくらげを水で戻した時。適度な水分の状態で収穫しているため、戻した時にしっかりとした重さがあります。「お客さんが、今までは1kgを水に戻したら8kgになっていたのに、おたくのは10kgになった、と。『おたくのはどうして品質がいいんですか?』と、尋ねられることもあります」。
社長自身も、自社のきくらげの品質に自信を持っています。だから「安売りは絶対にしません。『まずは一回使ってみてください』とお伝えするんですよ」。

収穫したきくらげは、二層式の洗濯機で洗い、異物や汚れを徹底的に取り除く

収穫したきくらげは、二層式の洗濯機で洗い、異物や汚れを徹底的に取り除く

乾燥したきくらげ

乾燥したきくらげ

きくらげの天ぷらを食べたことがありますか?

そんな自慢のきくらげで、ぜひ試してほしいのが天ぷら。南社長も「実は、今までなかった天ぷらが一番おいしい」と太鼓判を押します。1枚そのままのきくらげを水で戻して、天ぷら粉をつけて揚げるのですが、プリプリ・コリコリっとした歯ごたえも最高で、確かに今までに体験したことのないおいしさ。塩でさっぱりといただくのがおすすめです。
実際、日本生活協同組合(コープ)に取引を始めるための試食会にも天ぷらと酢物を出したそうですが、圧倒的に天ぷらが人気だったとか。そのおいしさのおかげか、創業の翌年からずっと取引が続いています。
そしてもう一つ、意外な食べ方が「おでん」。昆布のように出汁は出ませんが、溶けることもなく、プリプリ・コリコリとした食感を楽しめます。

食べてもらえる場面を、もっと増やしたい

現在出荷している商品は、1枚そのままのホールと、3mm幅と5mm幅のスライス、この3種類のみですが、もう1種類増やしたいと考えているものが「ダイスカット」。しかし、きくらげは生の状態ではとても柔らかくブヨブヨとしているので、ダイスカットのように2方向をカットするとずれて斜めに切れたり、切り口がきれいに揃わなかったり。商品化するには解決すべき課題が山積みですが、独自のピンホール栽培法を編み出し、菌床の管理や収穫の効率も格段にアップさせてきた南社長は、諦めません。

日本産のきくらげ栽培に取り組み、きくらげ栽培農家を増やすための販路作り、さらにきくらげの食べ方を広げる加工方法から、おいしく食べるための料理法まで、たくさんの“今までにない”を作り出してきた南社長。これからも365日きくらげに寄り添い、安全な国東産を家庭に届けます。

大分乾物有限会社 きくらげ生産・加工場

PROFILE

設立年月
2004年4月5日
代表取締役
南 一久
事業内容
大分産乾椎茸・乾きくらげ生産加工

CONTACT

住所
大分県国東市国見町中字浜手2268番地
TEL
0978-82-0744 フリーダイヤル:0120-67-0566
FAX
0978-82-0744
メール
info@oitakanbutu.com
HP
http://www.oitakanbutu.com/

この記事をシェアする