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株式会社ハマノ果香園

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香る、名脇役。-株式会社ハマノ果香園 香る、名脇役。-株式会社ハマノ果香園

産地から届ける果実まんまの香りと風味株式会社ハマノ果香園 [ 大分県国東市 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

唯一無二の香りや風味によって、さまざまな料理を引き立てる名脇役・かぼす。全国的にはまだ知名度が低いかぼすの魅力を発信するために、栽培事業に着手。採れたての果実を贅沢に搾ったストレート果汁は、まるで果実そのもの。加工品の展開や飲料・菓子類の原材料としても需要を伸ばしはじめています。

代表取締役 濱野光展さん

代表取締役 濱野光展さん

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産地から発信。果実本来の味を残した加工品を生み出す一貫体制を整備

『株式会社ハマノ果香園』は、広島県に本社を置く『丸松グループ』のグループ企業。広島県は瀬戸内のレモンやみかんなど柑橘類の一大産地であり、丸松グループでは産地から直接仕入れた青果の選果・加工・出荷などを一貫体制で行なっています。これにより、中間コストをできるだけカットすると同時に、店頭に並ぶまでの時間を大幅に削減。旬の農産物をより新鮮な状態で店頭へ届けられるのです。主な加工品として、ストレート果汁、ゼリー、ジャムなどを製造。自社ブランド商品の他、加工原料としてのニーズも多いそうです。

地元広島県のレモンやみかんなどをメインに、さまざまな産地から仕入れていた農産物のひとつが大分県産の『かぼす』です。「正直なところ、ハマノ果香園を創業するまでは、仕入れ品のひとつという認識でしかありませんでした」とは、代表の濱野光展さん。大分県民にとってかぼすはとても身近な存在ですが、県外の人にはあまりなじみがないといいます。というのも、「全国生産量の99%が大分県。そのうち97%は大分県内で消費されるみたいです」(濱野さん)と、大分県外への流通が少ないこともあってか、全国での認知度は低いというのが現実でした。一部顧客からのニーズで『かぼすのストレート果汁』を製造していますが、全体シェアで見ると、製造量は多くなかったといいます。

「仕入れる側」から「栽培する側」へ。立場が変わって見えた魅力と可能性

大分県のPR活動や全国で販売する商品に使われはじめたことなどもあり、かぼすの認知度が少しずつ全国へと広がりはじめていた2007年頃。大分県からの呼びかけで、かぼす栽培をはじめるきっかけが生まれました。以前、愛媛から来た生産者が使っていたみかん農園が残っていて、「この園地を活用してかぼすを育ててみないか」と声がかかったそうです。

かぼす農園の造成に着手した当時、柑橘類単体の園地としては国内最大級の敷地面積28ヘクタール(うち栽培面積22ヘクタール)。広大な敷地の整備、植え付けからスタートし、収穫できるまでに約7年。現在は年間400トン以上が収穫できるまでになりました。

かぼす以外にも露地やハウスで玉ねぎ、トマト、小玉すいかなどの農産物を栽培し、青果として全国へ出荷しています。多様な農産物を栽培することで、一年をとおして安定的な仕事量を確保し、地域の雇用創出にもつながっています。

柑橘類単体の園地としては国内最大級の敷地面積28ヘクタール

柑橘類単体の園地としては国内最大級の敷地面積28ヘクタール

採れたてかぼすの『香り』をそのまま届ける工夫や製法

栽培には大型機械を導入。これには、省力化や人的負担の軽減や安定供給などの理由もありますが、一番の理由は「採れたてのおいしさをいち早く届けたい」という思いからです。「これだけ広い敷地ですから、人力だけでは手入れに相当な時間がかかります。肥料をあげるタイミングなどは適期を逃すと果実に影響が出ます。スピーディーな手入れによって廃棄も減らせるし、木にとっても良いんです」と濱野さん。しかし、最後の収穫作業は必ず手作業で。適切な時期に、適切な手入れをし、人の手で丁寧に収穫されたかぼすは、香り豊かで果汁もたっぷりです。

収穫翌日には農園のすぐ近くにある自社工場で選別、洗い、搾汁、濾過の工程を経て、ストレート果汁になります。一日に1斗缶にして350缶もの量を搾り、そのまますぐにマイナス20度で冷凍保存されます。加熱殺菌の工程をなくすことで、香りをしっかりと残した果汁にするのがこだわり。また、一日の搾汁量に必要な分だけ収穫するので、常に採れたてのおいしさが詰まった果汁に仕上げられます。「かぼすに求められる大きなポイントが香り。だからこそ、青果に近い香りや風味を届けたいんです」と話す濱野さんのこだわりは、産地に工場を構えているからこそ叶えられています。

適切な時期に、適切な手入れをし、人の手で丁寧に収穫されたかぼすは、香り豊かで果汁もたっぷりです。

適切な時期に、適切な手入れをし、人の手で丁寧に収穫されたかぼすは、香り豊かで果汁もたっぷりです。

収穫翌日には農園のすぐ近くにある自社工場へ

収穫翌日には農園のすぐ近くにある自社工場へ

自社工場で選別、洗い、搾汁、濾過の工程を経て、ストレート果汁になります。

自社工場で選別、洗い、搾汁、濾過の工程を経て、ストレート果汁になります。

作業工程

作業工程

加熱殺菌の工程をなくすことで、香りをしっかりと残した果汁にするのがこだわり。

加熱殺菌の工程をなくすことで、香りをしっかりと残した果汁にするのがこだわり。

一日に1斗缶にして350缶もの量を搾り、そのまますぐにマイナス20度で冷凍保存されます。

一日に1斗缶にして350缶もの量を搾り、そのまますぐにマイナス20度で冷凍保存されます。

県外からの視点でとらえた大分県の名産を全国・海外に広めたい

生産する立場になって、かぼすがいかに魅力的な農産物かを実感するようになったという濱野さん。「栄養価や、料理とのバランスなどを考えても、まだまだ大きな可能性があると感じています」。

ニーズのほとんどが『果汁』ですが、「形を変えれば楽しみ方も広がると思うんですよね」(濱野さん)というように、さまざまな加工品の試作をしているそうです。果汁を搾って味わう以外の楽しみ方を知れば、全国での消費拡大にもつながるはず。県外企業だから気づける魅力をとらえて発信し、かぼす生産者を盛り上げたいという思いも持っています。

海外では、同じ柑橘類の柚子のニーズが高まっているそうで、柚子に続けとばかりに海外での需要拡大も視野に入れていますHACCP認証の取得など、安心・安全・高品質な製品を届けるための取り組みは準備万端。大分県産かぼすが海外の人に楽しんでもらえる日も遠くないかもしれません。

安心・安全・高品質な製品を届けるための取り組みは準備万端。

安心・安全・高品質な製品を届けるための取り組みは準備万端。

皮のおいしさまで。自然の恵みをていねいにいただく

果汁を搾ったあとに残る皮も無駄にしません。機械の性質上、搾ったあとの皮にもまだ果汁が含まれていて、香りも十分残っていることから、食品などの香料として使われています。また、黄色く熟れた皮は甘みが出てくるそうで、加工してジャムにしたり、ペーストにして焼菓子に練り込んだりという使い方も模索しています。香りやおいしさを最後まで引き出した皮は、畑の肥料に。無駄を最小限に抑えた取り組みは、生産者の立場になったからこそ気づけたことかもしれません。

「一番のこだわりはかぼす本来の香りを届けること。そのためには、生産者としてかぼすのことをもっと追求していきたいですね」と濱野さん。名脇役として大分県民が愛するかぼすを、全国に誇る主役級の産品に。生産者の目線からとらえたかぼすの研究は続きます。

 

株式会社ハマノ果香園

株式会社ハマノ果香園

PROFILE

設立年月
2007年12月
代表取締役
濱野光展
事業内容
かぼす・その他野菜等の生産、加工

CONTACT

住所
国東市国東町小原5836-25
TEL
084-930-0567 
FAX
084-930-0570
メール
happymarket@luck.ocn.ne.jp
HP
https://marumatsu-gr.jp

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