閉じる
メルマガだけのお得な情報満載!大分の食にまつわる旬な情報をいち早くお届けします。たすきのメルマガ。無料会員登録はこちら。
個別相談依頼は
こちら
フジヨシ醤油株式会社 - 超特別醤油 フジヨシ醤油株式会社 - 超特別醤油

湯の町べっぷで愛され続ける醤油蔵の物語フジヨシ醤油株式会社 [ 大分県別府市 ]

  • カテゴリ
  • 調味料

昭和23年創業、看板商品である「カトレア醤油」や、人気の「カボス醤油」などの加工醤油を製造・販売する『フジヨシ醤油』。先代の想いを代々受け継ぎ、新しい商品の開発や、飲食店や旅館などの依頼でオーダーメイドの商品作りを行っています。

代表取締役 首藤 富久恵さん(右)と息子の大比古さん(左)

代表取締役 首藤 富久恵さん(右)と息子の大比古さん(左)

この記事をシェアする

家族で商いをしよう

戦前は米屋を営んでいた『フジヨシ醤油』ですが、戦時中に米が配給制となり商売ができなくなったため、戦後は新たな道を探ることに。幸いにも子どもたちが無事だったこともあり、初代の山下亀吉さんは「子どもたちと、家族全員でできる企業を起こしたい」と考えます。元々米屋で穀物を扱っていたこと、当時は初代の妻が自ら味噌を仕込んでいたこともあり、味噌と醤油作りに携わることを決め、昭和23年に創業しました。

以降、家族で製造と商売の両方を続けています。「父である先代は男兄弟が4人いたんですが、そのうち3人が家業に携わっていたんですよ。今の工場長も私のいとこなんです」と教えてくれたのは、3代目の首藤富久惠社長。

「母や伯母も、みんなで店に立ちました。ほぼ家族全員が一緒に働いて、ほんとに家内工業です(笑)。次女の夫である常務は80歳を超えましたが今も現役なんですよ」。現在は、首藤社長の息子、大比古(ひろひこ)さんも工場長の下で「フジヨシの味」を学んでいます。

代々受け継がれてきたフジヨシ醤油の味

代々受け継がれてきたフジヨシ醤油の味

戦前は米屋を営んでいた『フジヨシ醤油』

戦前は米屋を営んでいた『フジヨシ醤油』

家族で作った醤油を直接お客様に届ける

原料難だった創業時は、新式醸造と呼ばれる方法で醤油造りを開始。その後、本醸造に取り組みます。「すごく頑張って醸造の勉強をして、全国的な賞をいただけるまでの技術を培うことができました」と、首藤社長。中心となったのは、創業者の次男で、大学で化学を学んだ喜八郎さんでした。

フジヨシ醤油はJAS認定工場。認定のための厳しい検査に合格できているのも、喜八郎さんが作った研究室で品質検査やデータの集積を続けてきたから。この研究室が、味と品質を守ってきた要の場所です。

しかし、最初にできた醤油はほんの少し。しかしそれを売るのも一苦労だったと言います。「作りました!って言ったって、信用も何もありませんから。米屋をしていた時のお得意様に、1本ずつ持って行ったそうです。父(先代)は『その時に買ってくれた方は、今でも覚えてる』って、ずっと言っていましたね」と、首藤社長。

以来、こだわっているのが直売。今でも卸を通さず、本店での直営と旅館や飲食店、個人客にも直接配達するスタイルを続けています。

家族一丸となってやってきた醤油づくり

家族一丸となってやってきた醤油づくり

料理人からの要望を受け「カボス醤油」を製品化

顧客へ直接商品を届けているからこそ生まれたのが、現在の看板商品である「カトレア醤油」や、人気の「カボス醤油」などの加工醤油。最初に「カボス醤油」が商品化されたのは、もう50年以上も前のことです。きっかけは、お得意先の料理人から聞いた「大分特産のカボスを1年中使いたい」という声。カボス果汁の長期保存に苦労していると知り、商品化に取り組み始めます。さらに「本醸造の醤油や出汁も入れて、まろやかなカボス醤油にしたらそのまま使っていただけるのでは」と試行錯誤を重ね、初めての加工醤油「カボス醤油」が完成しました。

今では、カボスの産地として知られる臼杵市の農家と契約し、毎年大量購入。カボスの季節になると社員総出でカボスを手剥き搾汁するのが、恒例行事になっています。「その時期は、会社の周辺までカボスの香りが漂うんですよ」。作った果汁は1年を通して風味を損なわず使えるよう冷凍倉庫で保存。新商品作りにも活かしています。

顧客へ直接商品を届けているからこそ生まれた醤油達

顧客へ直接商品を届けているからこそ生まれた醤油達

カボス醤油

カボス醤油

家庭の主婦のために作った醤油が全国から注文が入る看板商品に

「主婦はなかなか外食できない。家でも料理屋さんと同じようにおいしい味ができんかなあ」という、一般家庭の奥さまのつぶやきから生まれたのが、「カトレア醤油」。「幅広くお使いいただけるように」と、だしを活かした旨さや甘さなどで美味しさを追求することに。

開発には長い年月がかかりましたが、ここでも大活躍したのが喜八郎さんの研究室。分析を続け積み重ねたデータがあったからこそ、納得のいく味のバランスが完成しました。「研究室で分析をしているので、それは強みになっていますね」と、首藤社長。

喜八郎さんの研究室は今も、新しい商品作りや、飲食店や旅館などから依頼が来るオーダーメイドの商品作りに大活躍しています。

カトレア醤油

カトレア醤油

分析を続け積み重ねたデータがあったからこそ、納得のいく味のバランスが完成しました。

分析を続け積み重ねたデータがあったからこそ、納得のいく味のバランスが完成しました。

醤油が、なぜ花の名前?

しかし花の名前の醤油なんて、ちょっと変わっていますよね。出汁なども入っており価格も高めだったため、初めは「超特別醤油」などと呼んでいたそうですが、やはり名前が必要になります。「色々考えたようですが、今ひとつピンと来なかったみたいなんです」。そんなとき、故人の創業者が使っていた小箱の中に小さな写真を見つけます。それは、洋蘭の栽培が趣味で、中でもカトレアが大好きだった創業者の亀吉さんが、美しく咲いた「ヒペリオン」という赤いカトレアを持って、にっこり嬉しそうに笑っている写真。

それを見た先代の義實さんは、「カトレアと名前を付けろ」と言われているように感じたといいます。そうして自慢の醤油の名前は「カトレア」に決まり、ラベルには亀吉さんが持っていた赤いカトレアのイラストが添えられました。「父は特に家族や兄弟を大事にする人だったので。カトレアのラベルを見るたびに『(創業者の)父や母と一緒に仕事をしているような、見守られている気がする』って言っていました。名前への想いは、私達以上に強かったと思いますね」と、首藤社長。創業者が大好きだった花の名前を冠した醤油には、家族への愛も詰まっています。

創業者が大好きだった花の名前

創業者が大好きだった花の名前

この場所で紡いできた歴史が醤油の味にも生かされて

実は、現在充填などを行っている工場は、かつて亀吉さんが洋蘭を育てていた場所。家族の歴史が紡がれた場所で醸し続けてきたお醤油だからこそ、料理も幸せな味にしてくれるのかもしれません。全国的に人気となりながら、今でも11軒に直接届ける販売方法を続けているのも、特別ではなく、大切な醤油を安心して届けるためなのです。

「大切な味を届けてもらえる」という安心感につながっている気がします。

4代目を引き継ぐことになる大比古さんも、「先代からの、卸を通さないというモットーを守っていければと思っています。(インターネット注文などで)お届けが発送になったとしても、お客様11人にちゃんと向き合えるような販売を続けていきたいですね」。地域に根付いた味を家族で守り、客と顔を合わせた販売方法にこだわる。小さな醤油蔵だからこそできるこだわりで、これからも地域に無くてはならない味を守り続けていきます。

フジヨシ醤油株式会社の商品

フジヨシ醤油株式会社の商品

これからも地域に無くてはならない味を守り続けていきます

これからも地域に無くてはならない味を守り続けていきます。

フジヨシ醤油

フジヨシ醤油株式会社

PROFILE

設立年月
1948年3月
代表取締役
首藤 富久恵
事業内容
醤油製造・販売

CONTACT

住所
大分県別府市光町9-9
TEL
0977-21-1006
FAX
0977-27-0556
メール
katoreah@f244.com
HP
https://www.f244.com/

この記事をシェアする