閉じる
メルマガだけのお得な情報満載!大分の食にまつわる旬な情報をいち早くお届けします。たすきのメルマガ。無料会員登録はこちら。
個別相談依頼は
こちら
山忠-ひじきを育て、海を守る。山忠の海のパッション-情熱- 山忠-ひじきを育て、海を守る。山忠の海のパッション-情熱-

日本の伝統食を佐伯から世界へ。株式会社山忠 [ 大分県佐伯市 ]

  • カテゴリ
  • 水産食料品

独自技術「ノンドリップ蒸煮製法」の主力製品「ひじき」を扱う海藻のパイオニア。国産ひじきの全国シェアはトップクラス。『山忠』のひじきは、スーパーの総菜やコンビニエンスストアの弁当、サラダで使われる業務用として、多く採用されています。ひじきや海藻を活用した自社製品を多数開発し、海の食文化を全国の消費者のもとへ届けています。

取締役 業務統括部長 山城達郎さん

この記事をシェアする

独自開発の蒸煮(じょうしゃ)製法でひじきが主力商品に

海の幸が豊富な大分県佐伯市で、海産物の販売をスタートしたのが昭和22年(1947年)のこと。以来、ひじき、わかめ、青のりなどの海藻類をメインに事業を展開し続けて70年以上の歴史をもつ株式会社山忠は、現在多くのスーパーなどで販売している「海藻サラダ」を昭和58年(1983年)に国内で初めて開発・販売した会社でもあります。まさに“海藻のパイオニア”ともいえる山忠の商品は、海外にも展開。「海藻類を食べる文化はこれまで日本・韓国が中心でしたが、最近は海外との取引も増えてきました。日本食ブームやヘルシー志向が世界に広がっているからでしょうね」と山城さん。山忠は、日本の食文化を世界に伝える架け橋としての役割も担っているといえそうです。

中でも生産の約7割を占める主力製品は「ひじき」で、国産ひじきに限定するとその全国シェアは6割にもなります。あまり知られていませんが、大分県はひじきの収穫量も全国トップクラスだそうで、「特に収穫量の多い国東半島産のひじきだけを使った商品を開発してほしい、なんていう声もいただいたことがあります」というように、ひじきは大分県を代表する食材としても周知されつつあるようです。

ひじきが主力になった最大のきっかけは、独自技術「ノンドリップ蒸煮製法」を開発したこと(平成8年特許取得/特許第3244686号)。「ひじきは通常、大釜で加熱し圧力をかけた後に冷却するという手順で加工しますが、自重によってつぶれてしまったり、冷却の工程で熱が下がりきらずに菌が繁殖してしまったりというデメリットがありました(山城さん)」。伝統製法の良さを生かしながら、できるだけ自然に近い形でひじき本来のおいしさを残すにはどうすればいいか。
社員一丸となって新たな機械の開発に着手し、行程も見直しました。その結果、みずみずしさやふっくらとした食感、自然の風味をそのまま残したひじきをつくることに大成功!現在では24時間体制で、1日5トンもの生産量を誇ります。年間を通して安定した供給量を提供できるのも、山忠の強みです。

生産の約7割を占める主力製品「ひじき」

生産の約7割を占める主力製品「ひじき」

徹底した品質管理と環境への配慮

海藻は自然の素材なので、混入物があるのは当たり前。だからこそ徹底した品質管理に余念がありません。例えばひじきの製造ラインでは、蒸煮の後に、シフター(ふるい)、風力比重選別、電気吸引選別、色彩選別、CCDカメラ選別など様々な機械による選別工程を経たあと、さらに熟練者による目視選別を重ねることで、より高い品質が保たれています。自然の恵みをより自然に近い形でお届けするために、細心の注意を払いながら製造しています。

環境保全への取り組みとしては、自社工場内に排水処理施設を設置し、海藻や設備の洗浄で使った水を浄化して排水しています。使用するガスは、温室効果ガスの排出量が低いとされるLPガスを採用。環境への負担を最大限軽減しています。
さらに、“海の中からの管理”をするために、全国各地の海でひじき栽培にも着手。自社栽培により国内生産者の安定収入や収穫量の安定確保につながると同時に、ひじきを栽培することで広大な藻場ができ、海の生物が住みやすい環境がつくられるなど、豊かな漁場が整えられるからです。「自然の恵みをいただくからこそ、自然に還元したい。海を守り、国内の生産者を支えたいという思いもあります」と、各地の海に山忠の情熱が注がれています。
会社をあげた様々な努力が高く評価され、平成30年(2018年)には国際規格の食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の認証を取得しました。さらにSDGs達成に向けても積極的に取り組んでいます。

熟練者による目視選別

熟練者による目視選別

業務用から家庭用まで、使いやすくて美味しい商品ラインナップ

現在乾物ひじきは、スーパーの総菜やコンビニエンスストアの弁当、サラダで使われる業務用として多く出荷されており、全国の食卓へ届いています。
また「ひじきの水戻しの手間が面倒」という声から生まれたのが、なんと水戻しせずそのまま使えるひじきです。水戻し時間がなくなることで、家庭では「献立に取り入れやすい」と、水戻し不要ひじきの小売り品(10g,20gの小袋品)が売り上げを伸ばしています。最近は大手100円ストアでの採用も決まり、着実に消費者のもとへ広がっています。水戻しひじきは、時間・コストの大幅な削減ができ、作業効率アップにつながるので、PB商品を手がける企業にも最適です。
また、豆腐と混ぜるだけで手作りのおいしさが再現できる「白和えの素」がヒットするなど、家事の負担を軽減できる商品で、時代のニーズに応えています。他にも、カットわかめ、ひじきふりかけ、プチマリンなど自社製品も多数。老舗企業ながら柔軟に時代をとらえる実行力。今後も佐伯から、新しい食文化を発信してくれそうです。

乾物ひじき

乾物ひじき

株式会社山忠

PROFILE

設立年月
1947年7月
代表取締役
山城 繁樹
事業内容
海藻加工食品の製造販売

CONTACT

住所
大分県佐伯市鶴谷町1丁目4番30号
TEL
0972-23-3344
FAX
0972-24-1134
HP
http://www.seaganic.co.jp/

この記事をシェアする