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ハナマル食品
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蜜たっぷりで極甘!おいしさを瞬間凍結ハナマル食品株式会社 [ 大分県国東市 ]

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  • 農産物加工

魚介加工を前提にFFSC22000も取得。工場建設時から、国際基準の衛生設備を整えています。加えて、解凍時にドリップを出さないためプロトン凍結の冷凍機を設置。現在はこの高機能高速冷凍機を活かした、スイーツのような甘さや食感もそのまま閉じ込めた、紅はるかの「冷凍焼き芋」が主力商品です。国内だけでなく海外展開も視野に入れながら、焼き芋の風味や甘さを生かしたペーストやスイーツなど、加工品作りにも積極的に取り組んでいます。

代表取締役 花畑佑士さん

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魅惑的な香り蜜たっぷりの甘さ

香ばしくて甘い焼き芋の匂いって、本当に魅惑的ですよね。スーパーや量販店では、1年中いい香りを漂わせた焼き芋売り場が設置されています。ただしサツマイモは貯蔵が難しいこともあり、生の芋が多く出回るのは秋から冬。そんな中、ねっとり甘い焼き芋をすぐに瞬間凍結する『ハナマル食品』では、サツマイモのオフシーズンである春や夏はもちろん、1年を通して出荷しています。

使っているサツマイモは、甘みが強くねっとり系に分類される品種より“はるかに甘い”ということから名付けられた、「紅はるか」。九州産の紅はるかを、収穫してから湿度や温度を管理しながら40日以上熟成させさらに甘さを増したものを、専用のオーブンで焼き上げます。その後、急速冷凍機(プロトン凍結)で一気に冷凍。「冷凍焼き芋」が完成します。「一度凍らせたものを再度焼くと、さらに糖度が上がるそうなんです。甘くてね、とてもおいしいんですよ」と社長。凍結してから焼いた場合の甘さの上昇は、鹿児島大学の研究結果からも明らかになっているとか。

焼き上がったばかりの蜜が溢れた焼き芋。いい香りがこちらまで漂ってきそう

出来たてのおいしさと食感を、瞬間凍結させます

冷凍焼き芋を温めれば、出来たてホカホカでさらに甘味が増田焼き芋のできあがり!

スタートは魚加工?

「これがあるからこそ冷凍焼き芋ができる」と言ってもいい急速冷凍庫は、『ハナマル食品』を支える大きな大黒柱となっています。しかし、本来は焼き芋のために設置されていたのではありませんでした。

現在の工業は操業とともに作られものですが、当初の目的は水産加工。国東市出身の社長に、大分県から「漁や漁師を何とかしたい。魚の加工会社がないのでやってもらえないか」と、企業誘致の依頼があったことがきっかけでした。

企業誘致の話があったのは、十数年前。「僕ももう引退間近だったんだけどね。何かできることがあれば、って引き受けたんですよ」と社長

工場はFFSC基準衛生面を完璧に

花畑社長は、家電や雑貨の輸入、販売での高い実績があったものの、食品加工の分野に取り組むのは初めて。工場や社員、知識などもゼロから始める中で、第一に優先したのは「衛生面で完璧な設備」を整えることでした。知人からのアドバイスもあり、操業当初からFFSC22000を前提に「工場建設もFFSC基準で進めた」と、当時を振り返ります。「規模は小さいですが、衛生面では完璧な工場にしています」と。設立当初から、原料から製造・物流まで一貫生産に基づいた「食品安全システム」を構築しています。

その結果、魚の加工工場でFFSCを取得したのは国内でも23番目の速さだったとか。HACCP1度目の申請で合格し、その後FDAも取得しました。

会社の創業当初、まず着手したのがHACCPのガイドラインに沿った社員教育と衛生管理システムの構築

平成26年に創業したものの、3年間は準備期間に。その間に建物や設備を作り、社員教育も行った上で操業を開始した

困った。魚が足りない!

ところが「始めてみるとね、ビジネスになるような魚がないんですよ!(笑)」。漁獲量の少なさに悩むことになってしまいました。「設備その他を万全に整えて始めたのですが、なかなか魚が取れない。うちが取り組み始めてから比べると、漁師もどんどん減っています」。安定したハモやタコの確保が難しくなりってきた時、目を向けたのが量販店などで店頭販売されている焼き芋でした。

「うちは魚の加工工場からスタートしているため、細胞の破壊を起こさずに凍らせる機械を持っているんです」。冷凍した魚を解凍してもドリップを出さない特殊な急速冷凍機は、糖度の高い焼き芋の冷凍にも最適でした。

「焼き芋は製造機さえあればいくらでも作ることができるんですよ、しかし凍らせることができない。蜜が出ているような糖度がとても高い焼き芋は、凍らせるのにとても時間がかかります」と、竹川専務。普通の冷凍機では12時間経っても凍らないところ、『ハナマル』では1時間で凍らせることができるため、蜜が滲み出た切り口が変色することもありません。特殊な急速冷凍機のお陰で、1日に3トンの冷凍焼き芋製造が可能になっています。

芋の状態によって時間や温度を調整しながら、スチームコンベクションでじっくりと焼き上げます

焼き上がった芋を、選別して急速冷凍庫へ

1時間ほどで急速冷凍した焼き芋。蜜が溢れたおいしそうな姿のままが冷凍されています

地元産の紅はるかを近隣での栽培にも着手

九州産「紅はるか」を安定的に仕入れもできるため、昨年には冷凍設備も増設。

今年からは、国東市内で生産するサツマイモを取り扱うことが決まっています。かつて、『ハナマル食品』の本社工場の近くは大きなタバコ産地だったとか。「タバコの産地だった畑は水はけが良くて、土もさつま芋にあっているみたいですね。地元産にこだわっているわけではないけど、地元で生産できればそれば一番いいですよね」と社長。

数年前から、お隣の宇佐市で耕作放棄されていた畑を借り、移住者の若者に紅はるかを生産してもらう取り組みも始めています。

昨年、初期加工などを行う第二工場も新設

紅はるかは土をつけたまま温度や湿度を管理しながら貯蔵。焼く直前に芋の両端を切り落としてからきれいに洗う

洗浄や選別なども第二工場で行う

サツマイモは無農薬栽培安心安全で驚きの甘さ

さつま芋の生産には農薬を使いません。安心安全な素材を貯蔵し熟成させることで、さらに甘さとおいしさを引き出しています。無農薬で、砂糖を加えるなど味付けも一切せずに、驚きの甘さの焼き芋が完成するのです。

この焼き芋のおいしさは、すでに海外でも認められています。これまでに、アメリカのロサンゼルスやハワイで試験販売を実施。現在も月に34トンを送り、販売を続けています。シンガポールやタイ、マレーシア、香港などアジア圏でも試験販売を開始。国内の量販店やスーパーと同じく店頭に焼き芋機を置き、デモンストレーションをしながら販売する方法で人気を得ているそうです。

冷凍焼き芋は解凍してそのまま食べるのもいいのですが、焼き芋機を使えば出来たてホカホカの焼き芋として販売することができます。

 

農薬を使わずに育てた九州産の紅はるかを焼き芋に

半解凍の状態や解凍した冷たい状態で、アイスクリーム感覚で食べるのも美味。スイーツに加工してもおいしい

「焼き芋は言ってみれば自然食品。そんなところも人気の理由かもしれないね」と、社長

水産加工の技術を活かし生芋の加工にも着手

今後は冷凍焼き芋だけでなく、スイーツや加工品の研究も進めていく予定。これまでの水産加工の技術や高速冷凍機を生かし、天ぷら用に生のままスライスして衣をつけたものや、スライスそのままの冷凍商品を作ることも可能です。高性能な冷凍機のおかげで、生のままでも衣が剥がれません。さらに生芋の状態でも、冷凍後に調理するとさらに糖度が上がることも分かっているそう。

もちろん、地元で獲れるハモやタコの加工商品も継続販売。実は国内精油の「アマニ油」も人気商品の1つです。アマニを穀物の状態でモンゴルから取り寄せ、『ハナマル』の工場内で熱をかけずに絞っているため、味だけでなく香りや色が違うと評判。国東市のふるさと納税でも人気になっているそう。

貯蔵して甘みを増した紅はるかは、天ぷら用など生のままの加工品も発売予定。スライスの大きさや形も、要望に合わせることが可能

ねっとりして蜜たっぷりの焼き芋は、ペーストやスイーツなどに加工して販売することも検討中

あま〜い焼き芋はスイーツの可能性も無限!

現在は1種類だけスイーツを販売しており、それが「あげ焼き」です。焼き芋にするには少し小さいさつまいもをカットして素揚げし、油をしっかり切ってから、そのまま冷凍しているだけ。なのに、冷凍のままでも半解凍でも、もちろん解凍してから食べてもとってもおいしいのです。「これからはコンビニなどにも並べられるといいね」と、社長。『ハナマル』のさつま芋事業はまだ始まったばかりですが、その品質とおいしさは折り紙付き。新作のスイーツへの期待も、高まるばかりです。

 

優しい甘さで食べ始めると止まらなくなる「あげやき」は、第1号スイーツ。冷凍のまま、アイス感覚で食べるのもおすすめ

黒糖をまぶした商品もあり、こちらはハワイで人気だとか

ハナマル食品株式会社

PROFILE

設立年月
平成24年10月1日
代表取締役
花畑 佑士
事業内容
鱧・蛸等の水産物、及び農産物の製造加工販売

CONTACT

住所
大分県国東市国東町小原4001番地
TEL
0978-73-0870
FAX
0978-73-0871
メール
info@hana-shoku.co.jp
HP
http://www.hana-shoku.co.jp

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