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南光物産株式会社-染みわたってるね。ざぼん。 南光物産株式会社-染みわたってるね。ざぼん。

観光地別府を代表する地元民が愛するお菓子南光物産株式会社 [ 大分県別府市 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

古くから観光地として知られる別府の定番土産として知られる「ざぼん漬」。古くは“南国菓子”とも呼ばれ、長年愛されてきました。果皮をお菓子にするというちょっと珍しい銘菓は、別府市民にとってもなじみの味です。近年では有名ホテルのウエルカムサービスに取り入れられるなど、ますます注目が高まっています。

代表取締役社長 原口智成さん

代表取締役社長 原口智成さん

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地元の人に親しまれる別府銘菓を作り続けて半世紀

別府湾を一望できる見晴らしのよい高台に、工場と直売店を構えている『南光物産』。ルーツは、土産物店やざぼん漬を製造する企業など4社で立ち上げた『南光物産協業組合』で、「当時は観光業が盛んながらも、私たちの業界は斜陽産業と言われていた時代。売り上げに浮き沈みがある中で、なんとか別府のざぼん漬を後世に残したいという思いから組合を立ち上げたそうです」と話すのは、5代目で社長の原口智成さん。

伝統の味を守るために先駆者たちが手を取り合ったことで、ざぼん漬は今や別府市・大分県を代表する銘菓に。昭和45年(1970年)には現在地の鉄輪に工場を建設し、さまざまな自社商品の開発にもチャレンジしてきました。今では、卸売業社としての取り扱いアイテムは約250種類、そのうち自社製造品が50種類にもなります。
全盛期には20~30社あったざぼん漬の製造企業も、今は数社に減少してしまいましたが、別府伝統のお菓子を守るために、パッケージの展開など工夫を凝らしながら販売を続けています。主力商品のざぼん漬(コロ)は、平成14年(2002年)に第24回全国菓子大博覧会【くまもと菓子博2002】にて名誉総裁賞を受賞。
他にも、創業当時からざぼん漬けに並ぶ人気商品で、大分県院内産のゆずをゆずねり(ゆずのジャム)にしてサンドした和風ブッセ『ゆず一番』は、平成20年(2008年)に農林水産大臣賞、大分名物やせうまをヒントに誕生した『焼やせうま』も同年・同大会で名誉総裁賞を受賞するなど、高い評価を得ている商品が多数。
さらに、柑橘の加工技術を活かして、ゆずこしょうやかぼすこしょうなど、地元の特産品を材料にしたメイドイン大分の人気商品を次々と生み出しています。

別府の定番土産として知られる「ざぼん漬」

別府の定番土産として知られる「ざぼん漬」

創業当時からざぼん漬けに並ぶ人気商品『ゆず一番』

創業当時からざぼん漬けに並ぶ人気商品『ゆず一番』

大分県院内産のゆずをゆずねり(ゆずのジャム)にしてサンドした和風ブッセ

大分県院内産のゆずをゆずねり(ゆずのジャム)にしてサンドした和風ブッセ

大分名物やせうまをヒントに誕生した『焼やせうま』

大分名物やせうまをヒントに誕生した『焼やせうま』

『鮮度』と『手作業』にこだわった製法

ざぼんは、別名文旦(ボンタン・ブンタン)とも呼ばれる果物で、大きいものでは直径約20cmまでに成長する柑橘類。
その皮を利用したざぼん漬は、やさしい甘さとほどよい苦み、しっとりとした食感のお菓子です。材料はざぼんの皮と砂糖、水飴のみで、合成着色料や保存料を使わずに仕上げる体にうれしい一品です。

南光物産では、創業当時から手作業にこだわっています。例えばざぼん漬は、1~3月頃に皮むきをして冷凍保存、それをゆがいてあくを抜き、砂糖と水飴を混ぜて炊きあげ(蜜炊き)、しっかり蜜が浸透したらあら熱を取りながら砂糖をまぶして、常温の乾燥部屋で乾燥させます。
形が不揃いで分厚い皮を手作業で丁寧にむき、食べるのに適した部分のみを包丁でカット。砂糖をまぶす際も、均一性を計るために手の感覚で確かめながら作業が行われています。気温や湿度の違いで味が変化することから、全ての工程に人の目が注がれています。「材料の性質上、機械化が難しいというのも理由ですが、手作業だからこそ、やさしいおいしさにできると思うんです」。まねできそうでできない素朴な味わいは、長年の職人技によって生み出されているのです。

ざぼんの皮は、収穫してすぐに皮をむいて冷凍することで、鮮度を保ったまま保存が可能に。「乾燥の皮に比べると香りや風味が全く違うんです。ざぼん本来のおいしさを感じられるとお客さまにも好評ですよ」と原口社長。鮮度と独自の製法にこだわりながら、伝統の味を守り続けています。

ざぼんは、別名文旦(ボンタン・ブンタン)とも呼ばれる果物

ざぼんは、別名文旦(ボンタン・ブンタン)とも呼ばれる果物

形が不揃いで分厚い皮を手作業で丁寧にむく

形が不揃いで分厚い皮を手作業で丁寧にむく

ゆがいてあくを抜き、砂糖と水飴を混ぜて炊きあげる(蜜炊き)

ゆがいてあくを抜き、砂糖と水飴を混ぜて炊きあげる(蜜炊き)

あら熱を取りながら砂糖をまぶす

あら熱を取りながら砂糖をまぶす

品質に“ストーリー”をのせて、生産者の思いまで伝わる商品を

当初ざぼんは、鹿児島県阿久根市の『阿久根ざぼん部会』からの仕入れがほぼ100%を占めていましたが、生産者の高齢化やざぼんの木の老木化が進み、年々減産傾向に。「材料がなければ会社の存続も難しくなるし、何より生産者を守れなくなる」と考えた原口現会長(社長)は、阿久根ざぼん部会からノウハウを教えていただき、地元での産地育成に着手しました。

柑橘のまちとして知られる大分県津久見市の生産者に部会を立ち上げてもらい、平成27年(2015年)に約1800本のざぼんの苗木を植樹。昨年から本格的な収穫が可能になり、商品に使われています。原口社長「阿久根ざぼん部会の協力があったからこそ、別府銘菓ざぼん漬が発展してきました。原点を大切にしながら、さらなる発展を目指したい」。商品の歴史や生産者の思いなど、すべての要素を発信すべく尽力しています。

また、企画・製造から販売まで手がけているからこそ耳に入る“現場の生の声”を商品開発に取り入れています。特に同社が運営する直売店はほとんどが地元客で、普段のおやつや誰かへの贈り物として購入する客が多いことから、「地元の人が全国に発信したいと誇れるものを作りたい」という思いが商品に反映されています。そのひとつが、ヨーグルトにつけ込んだり、クリームチーズと合わせてクラッカーにのせたりと、新しい食べ方の提案をパッケージで紹介すること。これまで手に取る機会が少なかった客層へのPRにも力を入れながら、銘菓の知名度アップに力を入れています。

柑橘のまちとして知られる大分県津久見市に約1800本のざぼんの苗木を植樹

柑橘のまちとして知られる大分県津久見市に約1800本のざぼんの苗木を植樹

南光物産株式会社

南光物産株式会社

PROFILE

設立年月
1967年11月
代表取締役
会長 原口 嘉哲/社長 原口 智成
事業内容
菓子・加工品の製造・販売、卸売業

CONTACT

住所
大分県別府市大字鉄輪1284-2
TEL
0977-66-4151
FAX
0977-66-4153
メール
haraguchi@lily.ocn.ne.jp
HP
https://zabon.shop/

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