柔軟な発想と対応力で 乾しいたけの価値を高める株式会社 マルトモ物産 [ 大分県中津市 ]
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大分県産をはじめ、全国の生産地や中国産など、さまざまなニーズに沿った乾しいたけを取り扱い。業界最大規模の専用倉庫と工場を備えていることから豊富な在庫を確保でき、大量発注、サイズや産地指定、小ロットでの注文など、どんな要望にも応えることが可能。売る側の思いに寄り添う姿勢も選ばれている理由です。
営業課長 吉本拓磨さん(写真左)、広報 福田英里香さん(写真右)
乾しいたけの素晴らしさを広めたい
中津市に本社を構える『マルトモ物産』の創業は1986年。乾しいたけを扱う企業としては大分県内で2番目に若い会社です。売り上げの7割を占める乾しいたけをはじめ、きくらげ、わかめ、ひじき、切り干し大根などを販売する専門問屋として、全国・世界へとシェアを拡大しています。
主力の乾しいたけは、県産を中心に全国の産地から仕入れた原木・菌床しいたけのみならず、近年需要が増えている中国産の商品も多く取り扱っています。国産しいたけは原木・菌床をあわせて年間120トン、中国産しいたけは200~250トンを加工・出荷しています。
現在、代表取締役をつとめる吉本友義さんが、営業担当として勤めていた会社で知った乾したけの素晴らしさをより多くの人に広めたいと独立したのが会社のはじまり。同僚だった園田章さん(現・副社長)と一緒に、それまで培ってきた知識とノウハウを活かしながら走り続けてきました。全国各地の飲食店や百貨店など食を扱うプロからの信頼も厚く、また学校給食では北海道から沖縄まで取引を拡大しています。
売り上げの7割を占める乾しいたけ
国産しいたけは原木・菌床をあわせて年間120トン、中国産しいたけは200~250トンを加工・出荷
“お客さまの声”を第一に。商品ラインナップは約1万点以上
新しい発想と柔軟な対応力が同社の強み。業界最大規模の4000㎡以上の自社工場と専用倉庫を完備していることから、種類・量ともに多くの在庫を確保することが可能で、商品ラインナップは約1万点。
「お客さまの数だけ商品があるといっても過言ではありません」と営業課長の吉本拓磨さん。産地、厚さ、直径サイズの指定は当たり前。小ロットの受注や、小分けでの納品など、依頼はさまざまです。さらに、販売店の客層に合わせたパッケージを提案したり、消費者がより手に取りやすいようにレシピを提供したりと、あらゆる要望に対応しています。
難しい依頼にも対応する理由は、消費者の使いやすさだけでなく、“売る側が売りやすい商品を作りたい”という思いから。「この商品はありませんと言ったことがないんです。あらゆるニーズに対応できるのは、商品数とスタッフの数、これまで培った技術があるからこそです」と広報担当で、“だしソムリエ”の資格を持つ福田英里香さん。
常識にとらわれることなく、あらゆる依頼を形にして期待に応える。全ては、『安心安全な商品をより多くの消費者へ届けたい』という強い思いがあるからです。
さらにすごいのが、注文を受けてから翌日には発送するというスピード感。専門卸問屋として売る側の思いに寄り添う姿勢が、多くのプロに選ばれている理由だといえそうです。また、ホームページを一新し、原木・菌床の違いや産地ごとの特徴、部位の指定などをわかりやすく紹介する内容に変更したところ、問い合わせも増えました。
さらに、「まずは見て、使ってみて、品質の高さを知ってほしい」(吉本さん)と企業向けの無料サンプルパックを用意しています。使ってもらう機会が増えたことで、新規取引も着実に伸びています。
業界最大規模の4000㎡以上の自社工場と専用倉庫を完備していることから、種類・量ともに多くの在庫を確保することが可能
常識にとらわれることなく、あらゆる依頼を形にして期待に応える
付加価値を上げ、売れる商品をつくる
『大分乾しいたけトレーサビリティ協議会』による月に1回の審査をクリアした乾しいたけのみを使用。自社においても品質管理を徹底した上で、安心・安全な商品を提供しています。
さらに、用途が限られる軸の部分も積極的に仕入れ、商品として提供しています。
「軸だけでもしっかりダシがとれるので、うどん店やそば店に需要があるんです。私たちは幅広いお客さまをもっているからこそできることです」(吉本さん)。一見すると価値の低いものでも、ニーズにそった加工で付加価値をつけて商品にする。乾しいたけを知りつくしているからこそできることです。
近年売り上げを伸ばしているのが『乾椎茸パウダー』です。添加物、化学調味料を一切使用せず、100%乾しいたけのみで作られていて、料理にふりかけるだけでしいたけのうまみをしっかり感じられます。
ビタミンDなどの栄養価もしいたけそのものを食べるのと変わらないことから、流動食に混ぜて使いたいと老人ホームや介護施設からの注文が多いそうです。さらにこの商品のすごいところは、“菌数コントロール”ができること。しいたけは菌の一種のため、生産環境によっては菌の数値が高いと使えない場合もあります。菌数を数値化してコントロール可能にしたことで、企業からの問い合わせが増えています。
日本の乾しいたけは海外でも需要が高く、同社ではすでに香港・台湾・シンガポールとの取引があります。「スタッフのプロ意識がとても高いんです。並べ方ひとつにしても、納得がいかなければやり直し。品質は当然ですが、全てに高い意識をもって作業しているからこそ手にとってもらえるんだと思います」と福田さん。
特に海外では、日本産原木しいたけの乾しいたけは、味はもちろんその美しさから、高級品としてギフトの需要も多いといいます。だからこそ、機械化が進んでも、選別・袋詰め・パッケージと、全ての行程において人の目でしっかり見極めることを大切にしています。
「海外での人気はさらに高まっていくはず。ヨーロッパにお客さまをもつのが今の目標です」と吉本さん。日本が誇る品質の高い乾しいたけのさらなるマーケット拡大に向けて、着実に歩みを進めています。
自社においても品質管理を徹底した上で、安心・安全な商品を提供
近年売り上げを伸ばしている『乾椎茸パウダー』
スタッフは全てに高い意識をもって作業している
機械化が進んでも、選別・袋詰め・パッケージと、全ての行程において人の目でしっかり見極めることが大切
株式会社 マルトモ物産
PROFILE
- 設立年月
- 1986年10月
- 代表取締役
- 吉本友義
- 事業内容
- 乾しいたけの簡易加工・パッケージ・卸売
CONTACT
- 住所
- 大分県中津市一ツ松262
- TEL
- 0979-24-7005
- FAX
- 0979-24-7009
- メール
- info@marutomo-kanbutsu.co.jp
- HP
- https://marutomo-kanbutsu.co.jp/