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伝統を守り、新たなステップへ。- 合資会社 赤嶺酒造場 伝統を守り、新たなステップへ。- 合資会社 赤嶺酒造場

150年続く伝統を守りながら新たな一歩を踏み出す合資会社 赤嶺酒造場 [ 大分県臼杵市 ]

  • カテゴリ
  • 茶•コーヒー•酒類飲料

臼杵市野津町の150年以上続く酒蔵『赤嶺酒造場』で作られるのは、焼酎。7年ほど前からリブランディングに取り組み、スタイリッシュなボトルのちょっと贅沢な「DOTTON FIVE」が好評で、地元のフルーツや、臼杵市の銘菓「うすきせんべい」の生姜を使ったリキュールも人気が高まっています。

6代目を引き継いだ、代表取締役の向井政勝さん

6代目を引き継いだ、代表取締役の向井政勝さん

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明治元年創業の酒蔵は吉四六さんの生家

臼杵市野津町の商店街で150年以上続く「赤嶺酒造場」は、“とんち話”で有名な吉四六さんのモデルになった、広田吉右衛門さんの生家でもあります。以前は庄屋で味噌や酒などを作っていたそうですが、お酒を専門に作り始めたのは現在から5代ほど前。明治元年に「赤嶺酒造場」となりました。現在は焼酎製造がメインに。

小さな蔵ですから大量生産はできませんが、地元大分や佐賀などで生産された麦を主原料に、麹作りからこだわる伝統を受け継いだ手作りの焼酎製造を続けています。

焼酎を保存している貯蔵庫は、吉四六さんの生家である廣田家が酒を製造していた酒蔵。古い土壁からも歴史が伝わってくる

焼酎を保存している貯蔵庫は、吉四六さんの生家である廣田家が酒を製造していた酒蔵。古い土壁からも歴史が伝わってくる

国産の麦を使い、代々手作りにこだわってきた

国産の麦を使い、代々手作りにこだわってきた

歴史ある蔵と焼酎を絶やしたくない

歴史ある酒造に、転機が訪れたのは7年ほど前。代々“家業”として焼酎作りを受け継いできた赤嶺家ですが、家族で蔵を継げる人がいなくなってしまう危機に。そんな時、赤嶺家と親交がありHPづくりなどにも関わっていた向井政勝さんが「こんなに歴史のある蔵をなくしちゃいけん。俺も手伝うよ」と、手を挙げました。「150年以上続いている会社なんて、大分にはほとんどないんですよ。ここを守らなきゃと思ったんです」と、向井さん。

ただ、焼酎作りは全くの素人。まずは焼酎作りを勉強することから始めたといいます。「今でも蔵には入りますが、最初の3年間は最初の麹作りから最後までみっちり蔵に入り、焼酎作りを学びました。今でも、『どんな風に作ろうか、どんな人に買ってもらおうか』と想像しながら、焼酎作りをしているそう。

 

「自分でやらないと、商品に愛情が生まれないでしょ。『どんな風に作ろうか、どんな人に買ってもらおうか』と想像しながら、焼酎作りをしています」と話す、向井さん

「自分でやらないと、商品に愛情が生まれないでしょ。『どんな風に作ろうか、どんな人に買ってもらおうか』と想像しながら、焼酎作りをしています」と話す、向井さん

蔵の伝統を守り手作りの焼酎作りを続ける

昔ながらの方法で麦を蒸して麹付けをし麦麹を作り、さらに蒸した麦と水を合わせてもろみを作り、蒸留する。そんな焼酎の製造過程で重要になるのが、温度管理です。「発酵する時に温度上がるんですよ。だけどうちには冷却装置がないから、一番寒い時期製造します。冷やすことの方が難しいんですよ」。2代前の当主が考案した配置と工程のおかげで、杜氏1名を含んだ3名で作業ができるように工夫されているそう。「普通はね、担いだりする作業が多いんですが、それをしなくても作れるようにしてくれているんですよ」。

 

担ぐ作業を少なく、少人数で製造することができるよう先々代が整えてくれたという、麹やもろみの製造場

担ぐ作業を少なく、少人数で製造することができるよう先々代が整えてくれたという、麹やもろみの製造場

タンクには、代々の製造時のメモ書きが残る

タンクには、代々の製造時のメモ書きが残る

看板商品の「どっとん」は飲みやすく愛される味

常圧と減圧という蒸留法の違い、さらに原料や麹を変え、現在製造する焼酎は6種類ほど。中でも歴史があり、『赤嶺酒造場』で最もポピュラーな焼酎が「どっとん」です。20度の減圧蒸留焼酎で、麦本来の味と香りを残しスタンダードな味わいの、本格焼酎。以前は素朴な猪のイラストのラベルで親しまれていましたが、デザインも手がける向井さんがリニューアルしました。長年親しまれ続けた味で、「飲みやすい焼酎なので、どんな料理にも合いますよ」と、向井さん。

長年愛されてきた「どっとん」は、日常使いしやすい紙パックも誕生した

長年愛されてきた「どっとん」は、日常使いしやすい紙パックも誕生した

じっくり味わいたい、ちょっと贅沢な焼酎にも自信あり

常圧蒸留し、蔵で5年間長期熟成した「どっとん」もリブランディング。スタイリッシュなボトルの「DOTTON FIVE」に生まれ変わりました。麦焼酎本来のフルーティーな味や香りに、さらに深みもたせているため「DOTTON FIVEは、水割にはもったいない気がしますね。ロックやお湯割りがいいと思います。特にお湯割りは、風味が立っていいですよ」。

「どっとん」には、特別な日に飲みたいちょっと贅沢なバリエーションも。常圧蒸留で長期熟成させ、30度と高いアルコールの「DOTTON PREMIUM」は、深みがあり気品のある味わいを追求した1本。樫樽で5年間熟成させた淡い黄金色の「DOTTON GOLD」は、スモーキーな風味でまろやかな口当たりで、ふくよかな余韻を堪能できます。どちらも、特別な日に選んでほしい焼酎です。

5年間長期貯蔵した「DOTTON FIVE」や、樫樽で熟成させた「DOTTON GOLD」など、すべての商品は向井さん自身がデザインしている

5年間長期貯蔵した「DOTTON FIVE」や、樫樽で熟成させた「DOTTON GOLD」など、すべての商品は向井さん自身がデザインしている

樫樽で熟成したスモーキーな焼酎も人気

ハイボール好きにおすすめなのは、常圧蒸留で無濾過の原酒を樫樽で熟成させた「佳月(かつき)」。洋酒を思わせる舌触りや、スモーキーなフレーバーが好評です。「ウイスキーで言ったら、シングルモルトに近いかな。僕はハイボール好きなので佳月をよく飲みますね」。

そんな向井さんが「フルーティーでうまいんですよ!」とすすめるのが、「益喜(ますき)」。向井さんが酒造を受け継いだのちに誕生した大分県オリジナルの焼酎用大麦“トヨノホシ”を使ったもの。常圧蒸留で、麦の甘味と香りを強く感じる焼酎です。赤嶺酒造場2代目の赤嶺益喜さんから、名前をいただき商品名にしました。「フルティーな『益喜』はどんな料理に合わせてもいいですが、特に肉料理にはよく合います。水割りもお湯割りも、炭酸割りもまたいいんですよ」。

最も新しい銘柄は、大分出身の俳優、竹内力さんプロデュースによる「焙り焦がし麦  真政」。満足のいく味に辿り着くまで、開発には半年を要しましたが、令和4年度の熊本国税局酒類鑑評会にて、優等賞を受賞しました。

「DOTTON GOLD」や「佳月」が入った樫樽。この樽で熟成させることで、黄金色のスモーキーな焼酎が完成する

「DOTTON GOLD」や「佳月」が入った樫樽。この樽で熟成させることで、黄金色のスモーキーな焼酎が完成する

竹内力さんプロデュースによる「真政」は、焙り焦がし麦を使った香ばしい風味が魅力

竹内力さんプロデュースによる「真政」は、焙り焦がし麦を使った香ばしい風味が魅力

こだわりのリキュールには地元臼杵の果物を使用

最近は、フルーツを使ったリキュールにも力を入れています。使うのはカボスやマスカット、豊後梅など、地元臼杵市で育ったフルーツ。臼杵市の銘菓「臼杵煎餅」に使われている生姜を漬け込んだリキュールもあり、「冷たくして炭酸で割れば、ジンジャーエールの感覚で飲めるんです。冬はお湯割りにすると体があったまりますよ」。毎年新たな味を製造しており、「うちの果物でリキュールを作ってほしい」というオーダーにも応えていきたいと言います。「僕はそういうのが大好きなんです。うちは焼酎やリキュールの製造からボトルのデザイン、ラベル制作まで全てできますから。オファーをいただくのは楽しいですね」。

10年以上熟成させた、度数の高い原酒を海外へ販売することも検討中とか。老舗の蔵を受け継いだ6代目は、長らく愛されてきた味と伝統と守りつつ、新たな挑戦を続けています。

地元、臼杵のフルーツを使ったリキュール「果の滴」や「ウスキショウガシュ」は、女性に人気

毎年新たな味を製造している

毎年新たな味を製造している

合資会社 赤嶺酒造場

合資会社 赤嶺酒造場

PROFILE

設立年月
1948年8月10日
代表取締役
向井政勝
事業内容
焼酎・酒・リキュール等の製造販売
本格焼酎どっとん・トヨノホシ益喜・果ノ滴リキュールシリーズ・臼杵生姜酒等

CONTACT

住所
大分県臼杵市野津町野津市164番地の1
TEL
0974-32-2001
FAX
0974-32-4161
メール
info@akamineshuzou.co.jp
HP
http://akamineshuzou.co.jp/

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