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株式会社ジェイエイフーズおおいた 株式会社ジェイエイフーズおおいた

飲料を通じて農家を支え、地域と歩む株式会社ジェイエイフーズおおいた [ 大分県杵築市 ]

  • カテゴリ
  • 清涼飲料

JA全農(全国農業協同組合連合会)のグループ会社のひとつとして誕生した飲料製造会社。農業団体が母体である強みを生かし、大分県の農産物を活用した商品開発を積極的に行い、それが県内の農家支援につながっている。 代表飲料は20年以上のロングヒットとなった「つぶらなシリーズ」ほか多数。2024年には産地と直接連携、共同開発した商品第一号である「長命草のチカラ」を発売。 また、30年以上前から製造過程において生じる“残さ”のリサイクルを行うなど環境問題への関心も高い。現在は海外展開も視野に入れており、15の国と地域で市場調査を行っている。

代表取締役社長 大塚修司さん

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大分県の農家を支える飲料製造会社

JA全農(全国農業協同組合連合会)のグループ会社のひとつである『株式会社ジェイエイフーズおおいた』誕生のきっかけは、1961年に制定された「果樹農業振興特別措置法(果樹産業の振興)」と、それに伴う「加工需要拡大緊急対策事業(大型果汁工場の建設)」です。

大分県でも主に温州みかんの生産量が増え、72年4月に搾汁工場「大分県果実農業協同組合連合会杵築工場」を設立。その後、果汁を活用するためにジュースなどの加工品も手がけるようになり、91年『ジェイエイフーズおおいた』が発足しました。

果汁の加工会社は全国にたくさんあります。地方の小さな会社がその中で生き残っていくためには他がやらないことで付加価値をつける必要がある。そこで“農業団体が母体であるという強みを活かして、大分県の農産物を活用した自社製品の開発に力を入れよう”と方針を定めました。現在は大手ドリンクメーカーのOEMも手がけていますが、自社製品が売上の大半を占めています」そう話すのは大塚社長。

県産品を使った商品開発は直接的、間接的な農家の支援につながっており、今では地域にとってなくてはならない企業として認知されています。

『ジェイエイフーズおおいた』の代表的な飲料。毎年、様々な新商品が発売されています。

大分県の特産品「カボス」飲料に絶対の自信あり

『ジェイエイフーズおおいた』は柚子、みかん、にんじん、はっさくなど様々な県産品を活用した商品開発を行っていますが、その中心となるのがカボスです。

「カボスの生産量日本一を誇る大分県の企業として、カボスを原料にした飲料に関してはどこよりも歴史、知識、経験、技術があると自負しています。最近は大手飲料メーカーもカボスの飲料を出していますが、絶対に負けません。それだけカボスを知り尽くしていますから」。

毎年シーズンになると県内各地の農家から運ばれてくる大量のカボスを工場で搾汁。果汁は風味を逃さないよう殺菌をかけずに冷凍保存し、年間を通じて安定供給を叶えています。 

そんなカボスを使った飲料はなんと10種類ノーマル、粒入り、アルコール、炭酸水、乳酸菌、機能性表示食品…と幅広い年代、好みに合うものが揃っています。

9〜11月になると県内各地から続々とカボスが運ばれてきます。

洗浄され、搾汁工程へ進んでいくカボス。遠心力を利用して搾汁するので雑味が少ないそう。

果汁は冷凍保存。殺菌をしないため、フレッシュな風味が残ります。

カボス飲料の中でも特に人気なのが2001年に発売した「つぶらなカボス」。美味しいだけでなく、かわいいデザイン、ちょうど良い飲みきりサイズ(190g)、粒が残りにくい広めの飲み口とこだわりがギュッと詰まった一品は、飲料としては異例ともいえる20年以上のロングヒットを記録しています。

「つぶらなカボスがヒットしたのは販路を確保できたのも大きな要因です。私たちは元々製造に特化した企業ですから販売に関してはどうしても弱かった。でも、郵便局とタイアップすることでカタログ掲載などを通じて県内外にファンを増やすことができました。現在は、ブドウ、ミカン、リンゴ、ユズ、今年の春に発売したばかりのモモと6種類の“つぶらなシリーズ”があり、いずれも好評を博しています」。

つぶらなシリーズのように固形物を入れた商品はフィルターで濾すことができないため、異物混入のリスクが高まるのが難点。積極的に製造する会社は多くありませんが、『ジェイエイフーズおおいた』はそこにあえて注力することで自社の大きな強みにしています。

もちろん、リスクを回避するために、HACCP、FSSC22000、ISO9001の取得、製造工程における細かいルールの設定など、品質管理は徹底しているといいます。

つぶらなシリーズは現在6種類。大分県土産としても喜ばれています。

「つぶらなシリーズは私も大好きです。本当に美味しいですよ」と大塚社長も太鼓判。

産地と直接連携した商品開発をスタート

近年の特筆すべき取り組みのひとつが産地と直接連携した商品開発。その第一号となるのが豊後高田市香々地のボタンボウフウ(香々地長命草)を使った飲料です。

豊後高田市は香々地に自生していたボタンボウフウを定植し、健康に特化した特産品として売り出そうとしていました。ただ、青汁のような粉末を作ったり、天ぷらにしたり、試行錯誤してもなかなか広まらない。そこで“飲みやすい飲料にできないか”とうちに要請がきたんです」。

JAフーズおおいた』の商品開発部は、1株食べれば1日寿命が伸びるといわれるボタンボウフウの中に含まれる成分・クロロゲン酸に着目。豊後高田市、香々地ベジファーム合同会社と連携しながら、2年間ほどかけて食後の血糖値を抑制する機能性表示食品「長命草のチカラ」を完成させました。

 

「長命草のチカラ」は産地との連携の第一歩。飲料を商業ベースに乗せるには様々な条件をクリアする必要があるといいますが、大塚社長は「今後も要請に応じて知られざる大分の産品のPRに協力したい」と意気込んでいます。

機能性表示食品は「カボスの力」に次いで2品目。青汁のように広く認知される健康飲料を目指しているそう。

30年以上前から循環型農業を推進

『ジェイエイフーズおおいた』はリサイクルセンターを保有し、柑橘・野菜の搾汁過程で生じる植物性残さ、茶葉やコーヒーの抽出残さを堆肥にする食品リサイクルを行っています。

「うちはSDGsが設定される前からリサイクルを行ってきました。もう30年以上になるかな。平成15年にリサイクルセンターの増設を行ってからは、自社で排出する全ての残さを自社で処理しています。完成した堆肥は農家さんにお譲りするなど、新しい堆肥を作る際の発酵促進剤として活用しています」。

10年ほど前からは工場で使うエネルギーに関しても排熱利用をスタート。自社のSDGsに関してはまだ整理中だといいますが、環境問題、循環型農業の推進を強く意識している企業であることは間違いありません。

製造過程で生じる残さはリサイクルセンターへ運ばれ、再利用されます。

どんなに良い原料を使って、良い商品を作っても売れなければ農家を支えることも、企業を発展させることもできません。今後はSNSなどを使ったブランド力の向上、海外への販路拡大を考えているといいます。

「現在、どこの国にどの商品が受けるか15の国と地域に少しずつ出して調査中です。海外部門で利益が出れば、地元に還元できる。いい循環を目指しています。そのために英語が話せる人材、APUの学生の採用もスタートしました。英語が話せる人がいれば海外の労働力の確保もしやすくなると期待しています」。

大分を支えるために、世界へ一歩踏み出そうとしている『ジェイエイフーズおおいた』。大分県の魅力的な原料を使った飲料が世界でどう評価されるのか。期待が高まっています。

 

代表取締役社長 大塚修司さん

株式会社ジェイエイフーズおおいた

PROFILE

設立年月
1972年11月(会社設立は1991年12月)
代表取締役
大塚 修司
事業内容
農産物(果実・野菜)の加工および販売、清涼飲料水・アルコール飲料の製造・販売

CONTACT

住所
大分県杵築市大字本庄1453番地の1
TEL
0978-62-6500
FAX
0978-62-2762
HP
http://www.jafoods-oita.co.jp/index.html

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