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「本物」にとことんこだわり 原木椎茸の価値を高める伝統の継承株式会社姫野一郎商店 [ 大分県竹田市 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

明治10年の創業以来、椎茸一筋140年以上。担い手不足から生産量が減少している「国産原木椎茸」にこだわり続けています。食のトレンドが変わりゆく中でも、変わらないおいしさと伝統を継承するために。原木椎茸の魅力を伝える品質管理や加工品開発などによって、生産者とともに歩み続けています。

代表取締役社長 姫野武俊さん

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創業明治10年。椎茸とともに歩み続けて140年以上。

歴史のはじまりは、提灯やろうそくなどを扱う小さな店『姫野商店』。その後2代目から乾椎茸を取り扱うようになったといいます。「当時は、現在のようなコマ打ちでの栽培方法はなく、椎茸は自然に飛んできた胞子がクヌギに活着してできる貴重品。そのまま食べたり、出汁をとったりできるとあって、飛ぶように売れていていた時代だったそうです」とは、5代目社長の姫野武俊さん。クヌギ林にこもって椎茸を栽培する“なば山師”という職業があったほど、竹田市では主要産業として盛んな時代でした。生産者から椎茸を集めるために、2代目はリアカーを引いて山々をまわる日々だったそうです。

椎茸とともに歩み続けて140年以上の姫野一郎商店

その後、昭和30年頃には種コマを打ち込む人工栽培が確立され、生産量が一気に増加。3代目は栽培方法の普及にも尽力したそうで、これによって、生産者との関係性が強固なものとなり、現在の信頼関係にもつながっています。昭和50年代には、大分県の全市町村でスタートした地域振興プロジェクト『一村一品運動』によって竹田市産原木椎茸の知名度が高まり、ギフト需要が増加。「当時はお中元やお歳暮の品として、椎茸が一番人気だったそうですよ」(姫野社長)と、高品質でおいしい椎茸は、一気に全国区になりました。

『一村一品運動』によって竹田市産原木椎茸の知名度が高まり、ギフト需要が増加

「国産原木椎茸」にこだわり続ける理由。

生産者の高齢化や担い手不足にくわえ、一年を通して栽培可能な菌床椎茸が誕生したこともあり、原木椎茸の生産量は減少。全盛期の6分の1から8分の1にまで減っているといいます。「原木椎茸を安定的に消費者に届けるためには物量が必要。生産者なくしては私たちの商売も成り立ちません」と姫野社長は、「味、香り、食感にすぐれた本物の椎茸を全国へ届けることで、生産者が安心して椎茸栽培を続けられる環境を維持したい」という強い信念から、創業から変わらず国産の原木椎茸にこだわり続けています。

そのために、椎茸の中でも高級品とされる贈答用の原木乾椎茸をメインに、品質の高いものを取り扱うことを大切にしています。品質を維持し、生産量を確保するため、一部の生産者に契約栽培を依頼して、厳選した品種を育ててもらっているそうです。「一大産地としてのブランドイメージを高めて、生産者にきちんと還元できる仕組みを維持していきたいです」と、生産者とともに歩む姿勢を大切にしています。

味、香り、食感にすぐれた本物の椎茸を全国へ届ける

株式会社姫野一郎商店の代表取締役社長 姫野武俊さん

確かな目利きと徹底した品質管理で、“良いもの”だけを届ける。

商品価値を下げないために、目利きと品質管理を徹底しています。ていねいに人の目でチェックし、良質なものだけを商品としてお届け。140年以上の歴史の中で培ってきた職人技ともいえる厳しい品質管理のもと、「安心・安全・おいしい」椎茸を提供し続けてきました。

目利き力と品質が高く評価され、全国のスーパーやカタログギフトをはじめ、オンラインショップやECサイトよって知名度を確立。『姫野一郎商店ブランド』が拡大しています。

職人技ともいえる厳しい品質管理のもと、「安心・安全・おいしい」椎茸を提供し続けてきました

商品価値を下げないために、目利きと品質管理を徹底

現代の食文化に合わせた多数の加工品で、乾椎茸をもっと手軽に。

乾椎茸は、三大うま味成分のひとつ「グアニル酸」が含まれる食品としても注目されています。海外でも「UMAMI」として周知されるようになりました。

とはいえ、なかなかぬぐえない「乾椎茸は手間がかかる」というイメージを払拭し、乾椎茸の消費拡大を目指す手段として、加工品を開発しています。同社が手がけた初の商品が、原木乾椎茸を贅沢に使った佃煮『しいたけのおふくろ煮』です。昭和45年頃に誕生したこの商品は姫野社長の祖母の味で、「椎茸の味をしっかり感じられるような、やさしい味付けに仕上げています」(姫野社長)。佃煮の誕生をきっかけに、加工品製造会社『姫野食品』を立ち上げました。

原木乾椎茸を贅沢に使った佃煮『しいたけのおふくろ煮』

佃煮の誕生をきっかけに、加工品製造会社『姫野食品』を立ち上げ

近年人気を集めているのが、温めるだけで食べられるレトルト加工品『椎茸のアヒージョ』や、竹田産かぼすと合わせた『しいたけかぼすぽんず』です。手軽に使えて、特有のうま味をしっかり感じられる商品によって、魅力を伝えています。

近年人気を集めているのが、温めるだけで食べられるレトルト加工品『椎茸のアヒージョ』など

手軽に使えて、特有のうま味をしっかり感じられる『しいたけかぼすぽんず』

専用工場で、粉砕、パウダー化、スライスなど用途に合わせた加工が可能です。品質と加工技術が評価され、PBやOEMの受注も多数。素材の提供も積極的に行っていて、「大分県産品との組み合わせで、魅力的な商品を誕生させたいですね」と姫野社長は新たな大分県名物の開発に積極的です。

一大産地としての責任を果たすために、「本物」を伝えていく。

140年以上の歴史を紡いできた椎茸問屋として、「伝統製法を守り、次の世代へつないでいくことも、私たちの役割だと思っています」と姫野社長。生産者の力なくしては果たせないこの課題に対し、例えば椎茸の石づきを丁寧にカットし、軸とカサを混ぜて粉末にした『椎茸パウダー』や、戻し時間を短縮できる『スライス椎茸』など、さらなる需要拡大を図るための商品を誕生させています。

軸とカサを混ぜて粉末にした『椎茸パウダー』など、さらなる需要拡大を図るための商品が誕生

また、地元竹田市で開催される『竹楽』で、戻した乾椎茸を使ったバター焼きを無料で振る舞う活動を通じて、「椎茸が苦手な子どもがおいしいと言って食べてくれます。小さいころから原木椎茸を食べることで、椎茸嫌いな子どもが減るのではないでしょうか」(姫野社長)と、「本物」を伝える地道な活動も続けていきます。

栄養豊富でおいしい椎茸を、全国、世界へ。椎茸を通じて、日本の食文化を育みながら、一大産地を支える老舗卸問屋として、さらに歴史を重ねていきます。

株式会社姫野一郎商店

PROFILE

設立年月
1960年3月
代表取締役
姫野武俊
事業内容
乾椎茸・かぼす・加工品製造販売

CONTACT

住所
大分県竹田市会々2718
TEL
0974-63-2853
FAX
0974-63-0528
メール
mail@shiitake-himeno.co.jp
HP
https://shiitake-himeno.co.jp/

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