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ざびえる本舗 ざびえる本舗

伝統の、その先へ。株式会社ざびえる本舗 [ 大分県大分市 ]

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  • その他食品関連事業

『ざびえる本舗』は、大分県を代表する銘菓「ざびえる」を製造する菓子メーカー。製造元の経営破綻により消滅の危機に陥った「ざびえる」を復活させた会社として大分県民に広く知られています。 2024年1月に会社設立メンバーの一人である後藤さんが社長に就任。新商品の開発に注力する傍ら、ホームページとオンラインショップの一新、SNSの活用などを通じて認知度を上げ、全国へ販路を広げようと奮闘しています。

代表取締役 後藤 賴彦さん

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「大分県の銘菓を守りたい」ざびえるを愛する新社長の熱い想い

大分県を代表する銘菓「ざびえる」。2000年、製造していた老舗菓子メーカーの経営破綻で消滅の危機に陥りましたが、現会長(太田清利)をはじめとする元社員ら8名が立ち上がり、新たに『ざびえる本舗』を設立。県民の「あの味をなくさないでほしい」という声にも後押しされ、経営破綻からわずか半年という異例の早さで生産を再開しました。

そこから順調に売り上げを伸ばしてきた同社ですが、現在、新工場設立、社長交代など新たな局面を迎えています。

「ざびえる」は洋風の皮で純和風の白餡を包んだ「銀」と、ラム酒に漬けたレーズンを刻みこんだ餡を包んだ「金」の2種類。

特殊技術で作られたビロード風の箱も印象的。

20241月、新たに社長に就任した後藤さんは『ざびえる本舗』の立ち上げメンバーのひとり。 多くの人に支えられて復活を遂げた「ざびえる」に人一倍熱い想いを抱いています。

「誰もが知る県外の大手企業からM &Aの話を持ちかけられたこともありました。ビジネスとして考えれば悪い話ではなかった。でもそれを受けてしまうと60年以上受け継がれてきた大分銘菓ざびえるが大分の銘菓ではなくなってしまうかもしれない。地元での雇用が難しくなるかもしれない。私は大分で生まれ、愛されてきたざびえるを地元の人たちと一緒に守りたいんです。それが会社立ち上げの際に惜しみない力添えをしてくださった地元企業や団体の皆さん、あたたかい声援を送ってくださった県民の皆さん、そして“ざびえるを頼む”と想いを託してくれた前社長(経営破綻した老舗菓子メーカーの社長)への恩返しになると思っています。ざびえるは私たちだけのものではないんです」。

忘れられないうちにすぐ復活させなければ…と会社設立のために奔走した日々は、「ざびえる」を愛する人たちとの絆を育む時間でもあったようです。

「お金も工場も何もないところからスタートしたのに不思議なほど偶然が重なって良いご縁に恵まれました。神様っているのかな」と後藤社長。実現はしなかったものの「ざびえるのために」と無償で土地の提供を申し出た人もいたそう。

生産能力20%UP、人にもやさしい新工場

企業として成長していくためには人材の確保が必要不可欠です。ちょうど従業員用の駐車場が手狭になったのを機に、移転・新工場設立を決断。20237月、旧工場の1.5倍の広さを持つ新工場が完成しました。新工場は生産能力が約20%UPしたほか、従業員の就労環境が大きく改善されています。

成形、袋詰めなどの作業室を個室にしてそれぞれに空調を入れるなど、従業員の働きやすさを追求しました。それでも業務の性質上、暑い、寒いはありますから、いずれロボットの導入も考えています」。地元の人たちと一緒に伝統の銘菓を守りたい―。何よりも人を大切にする後藤社長の思いは新工場にもしっかりと息づいています。

「ざびえる」の梱包風景。空調のきいた部屋で快適に作業。

「ざびえる」と並ぶ看板商品「瑠異沙」の箱詰め風景。後藤社長は「瑠異沙」の象徴であった袋の紐かけを廃止し、シールへ変更。伝統を守りつつ、生産効率アップ、ゴミの削減など時代に合わせた変化も柔軟に取り入れています。

大分県を象徴する新たな銘菓の誕生

“変わらないこと”を普遍的な価値とする「ざびえる」を軸に順調に売り上げを伸ばしてきた同社ですが、それだけに頼っている訳ではありません。新たな大分銘菓をつくるべく、商品開発も積極的に行っています。

2024年3月にはカカオの風味豊かなチョコレート生地とラム酒に漬けたレーズン入りの餡のコラボレーションが新鮮な「南蛮菓 Bungo」を発売。4月〜6月に開催されたディスティネーションキャンペーンで大きく知名度を上げました。チョコレートを使っているため、バレンタインなどのこれまでにない需要も増えるのではないかと期待が高まっています。

Bungo(豊後)という大分県らしいネーミング、南蛮文化を感じさせるパッケージはお土産にもぴったり。

同年9月には豊後梅のジャムを使った和洋折衷菓子「SANO」を発売。こちらは後藤社長自ら3年もの歳月をかけてつくり上げた肝煎りの商品です。

「お菓子って日本全国何万種類もありますから、どうしても見た目や味が似てしまうことが多いんです。唯一無二のものを作るために大分県産品を使いたいと思っていたんですが、なかなかピタッとハマるものがなくて…。そんなとき、二階堂酒造さんが梅酒をつくる際の副産物である “お酒に漬けた後の梅“の買い手を探しているという話を聞いたんです。大分県を象徴する豊後梅だし、再利用できれば大切な資源を無駄なく使うこともできる。まさに理想だと思いました」。

独自の技術で実とタネの分離を行い、商品開発をスタート。試行錯誤の末、豊後梅のジャムを梅餡でくるみ、さらにホワイトチョコレート練り込んだ生地で焼き上げた三重包餡の「SANO」が完成しました。名前は『ざびえる本舗』がある自然豊かな地・佐野からとったといいます。

大分県の県花である豊後梅、大分県を代表する蔵元・二階堂酒造の梅、南蛮文化感じるステンドグラスのパッケージデザインと“大分らしさ”がぎゅっと詰まった一品は大分県の新たな銘菓としての飛躍を感じさせてくれます。

和洋折衷菓子「SANO」。ホワイトチョコレートと梅餡のやさしい甘さ、梅の芳醇な香りが楽しめます。 豊後梅のマーク、ステンドグラスをモチーフにしたパッケージデザインも社長自ら考えたそう。

大分県だけでなく、全国で愛される菓子メーカーへ

2026年に25周年を迎える『ざびえる本舗』。節目の年へ向け、新たな一歩を踏み出そうとしています。

「いまだに注文は電話、FAXがメイン。もちろんネット注文もできるんですが、ホームページが分かりにくいのもあってなかなか浸透しない。そこを改善するためにホームページを一新、オンラインショップも刷新します。基盤がしっかり整ったら内部にEC課も設ける予定です。ネットでファンを増やし、いずれ直営店を出したいという構想もあります。出来立ての美味しさや香り、お菓子のワクワクを直接届けられたら嬉しいですね。他にもやりたいことが多すぎて伝えきれません(笑)」。

今はその下準備中。インスタを開設したり、羽田空港に「ざびえる」の大看板を設置(予定)したりと、県外への周知含む情報発信に余念がありません。

大分県民に愛される「ざびえる」、新たに開発した大分銘菓を携え、全国へ。『ざびえる本舗』の次なるステージへの挑戦ははじまったばかりです。

大分県民に愛される「ざびえる」、新たに開発した大分銘菓を携え、全国へ。『ざびえる本舗』の次なるステージへの挑戦ははじまったばかりです。

株式会社ざびえる本舗

PROFILE

設立年月
2001年1月
代表取締役
後藤 賴彦
事業内容
菓子の製造・販売

CONTACT

住所
大分県大分市大分流通業務団地3丁目2番3
TEL
097-524-2167
FAX
097-524-2168
メール
info@zabieru.com
HP
https://www.zabieru.com/

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