「人生100年時代」を支える こんにゃくの可能性株式会社クマガエ [ 大分県日田市 ]
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料理を引き立てる名脇役としてはもちろん、健康や美容を意識する人にとっては主役になる食材「こんにゃく」。創業から変わらない伝統を守りつつ、近年の健康志向ニーズに合わせて、特別栽培のこんにゃく芋を使った商品が誕生しました。素材と使いやすさにこだわった商品によって、さらなるファン拡大を目指します。
「新しいもの好き」だからこそ生まれる、常識にとらわれないこんにゃく
美しい水に恵まれたまち「水郷日田」でこんにゃくを製造している『クマガエ』がつくっているのは、「美容と健康を守るこんにゃく」。1972年の創業以来、古くから伝わる伝統の手練り製法を受け継いでいます。
「先代が新しいもの好きで、開発熱心な人でした」とは、3代目の熊谷隆政さん。伝統技術だけでなく、時代に合わせたニーズを取り入れる柔軟性もしっかりと受け継がれていることが、他とは少し異なるこんにゃく店として注目されている理由です。
こんにゃくといえば、料理に華を添える脇役的な存在。「味付けは調理次第でいかようにもできるので、こんにゃくの評価ポイントはこれまで、“食感”だったんですよ」と熊谷社長。そのため、こんにゃく芋の配合割合や練り方などを模索しながら、さまざまな商品を開発してきました。
こんにゃくの価値が改めて評価され始めたのが、美容・健康志向ニーズの高まりです。ヘルシーで身体にやさしい食材として注目を集めるこんにゃくの可能性を広げる、多彩な商品を誕生させ続けています。こんにゃくを使った主食、おかず、スイーツなど、食事のカロリーを気にする人のための代替食品は、我慢して食べるのではなく、「これが食べたい」と選ばれる商品にまで成長。創作こんにゃくは今や常時80種類以上、それ以外にも、季節限定品やOEM・ODMの商品も随時開発されています。
創作こんにゃくのひとつ、健康や美容目的で選ばれている春雨風の「極細糸こんにゃく」。
最高のこんにゃくを追求するため、練り方やこんにゃく芋の配合量など、研究には終わりがない。
「特別有機栽培蒟蒻」を使った新商品が誕生
新しく誕生したのが、「特別栽培蒟蒻芋」を使ったこんにゃくです。板こんにゃく、糸こんにゃく、丸こんにゃくと、さまざまな料理に使いやすいように豊富なバリエーションを製造しました。一般的なこんにゃくと比べると白い見た目も特徴で、これはこんにゃく芋の使用割合が高いから。素材本来の味をしっかりと楽しめる商品です。
「定番商品のバリエーションを増やしたかったんです。1年くらい農家さん探しをして、ようやく群馬の農家さんにたどり着きました」と誕生の理由を教えてくれた熊谷社長。契約栽培によって大切に育てられたこだわりのこんにゃく芋は、使用農薬50%減、化学肥料不使用、有機肥料100%使用という厳しい条件のもとで栽培されています。通常のこんにゃく芋に比べて手間暇がかかる原料だけに、従来に比べて材料は高価格。その分、商品の価格も上がりますが、「食にこだわりがある人に、これじゃなきゃダメだと言ってもらえるような価値ある商品にしていきたい」と、熊谷社長も自信を持っておすすめできる一品が完成しました。
クマガエには、長年同社の商品を愛用する顧客も多く、板・糸・丸の定番商品は外せない売れ筋です。「クマガエのこんにゃくがいい」と選んで購入している顧客が満足する商品にするためには、「おいしい」は当たり前。さらなる特徴を出すために、「生ならではのおいしさを表現したかった」と熊谷社長。さまざまな製法を試して、やわらかくてもっちりとした食感の商品が完成しました。独特のえぐみを極限まで減らしているので、がぶっと丸かじりしてもおいしくて、あらゆる料理に使いやすい主役級の万能名脇役。こだわりがたくさんつまった「特別有機栽培蒟蒻」を使った商品は、新たな定番として広がっていきそうです。
さまざまな料理に使いやすいように豊富なバリエーションを製造
こんにゃく芋の有数の産地、群馬県の契約農家が育てた「特別有機栽培蒟蒻」を使った商品。
デザートにも!?大分県産果実を使った「かぼすたま」「ゆずたま」
新たな商品開発は、ますます加速しています。例えば昨年発売した「かぼすたま」「ゆずたま」の2種は、まん丸の見た目と、イエローやグリーンのカラーも目を引くこんにゃくです。大分県産のかぼすや柚子の皮まで贅沢に使った商品で、特にゆず皮は2種類のサイズを練りこむことで、食感の楽しさや豊かな風味を最大限に表現しました。8~9月と、青果が旬の時期にだけ販売する特別な季節限定商品で、大分県産品を味わうきっかけになる一品として、お土産にも喜ばれそうです。
生のまま味わえるので、薄切りや角切りなどお好みのサイズに切ってそのままサラダなどのトッピングに。「ゆずたま」は豚の角煮にもおすすめだそう。熊谷社長のイチオシの食べ方は、黒蜜をかけてデザートとして味わうこと。かぼすやゆずの香りと柑橘ならではの酸味がさわやかで、こんにゃくの新しい食べ方として周知されそうです。
季節限定こんにゃく「かぼすたま」と「ゆずたま」。県産品の魅力を発信する商品開発にも積極的です。
日本人のソウルフードを、いつか宇宙へ
創業90年以上の老舗が守る伝統製法はそのままに、常識をこえた発想でさまざまな商品を開発する3代目の熊谷社長。その熱意は、「いつかこんにゃくを宇宙に持っていきたい」と壮大な思いを話してくれました。宇宙食にするためには、水分の問題や熱菌処理など、多くのハードルがあり決して簡単ではないといいます。しかし、同社が持つ伝統と技術、そしてなによりも「新たな視点でこんにゃくを広めたい」という情熱によって生まれるバラエティ豊かな商品を誕生させている実績があります。熊谷社長をはじめとする全員の探究心によって、壮大な夢を実現させてくれることでしょう。
これからの展望を楽しそうに話してくれた熊谷社長。こんにゃくが宇宙へ飛び立つ日もそう遠くないかもしれません。
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株式会社クマガエ
PROFILE
- 設立年月
- 1927年
- 代表取締役
- 熊谷 隆政
- 事業内容
- こんにゃく製造業、総菜製造業、菓子製造業、その他一般食品
CONTACT
- 住所
- 大分県日田市新治町304
- TEL
- 0973-24-6123
- FAX
- 0973-24-6123
- HP
- http://kumagae.life