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「本物」を追求し続ける 養蜂家の思いが全国へ株式会社蜂の音 [ 大分県速見郡日出町 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

「本物のはちみつを届けたい」。そんな強い思いを持つ3人の養蜂家が立ち上げた天然はちみつ専門店『蜂の音』は、2025年に創業10周年を迎えます。創業当時から変わらない「生産者目線」のこだわりを守り抜くことで、“本物”を求める小売店や消費者から選ばれる企業へと成長。コラボ商品の開発にも力を入れています。

代表取締役 白石 秀明さん

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社員全員が「養蜂家」だからこそ届けられる、“自然のまま”のはちみつ

「ミツバチには可能な限り手をかけて、はちみつには可能な限り手を加えず」。ミツバチのお世話をする“養蜂”を最重要視することでできる、質の高い純度100%のはちみつを届ける『株式会社蜂の音』が掲げるこのモットーからは、貴重な自然の恵みを広く届ける企業としての使命のようなものを感じます。

ミツバチに対する大きな愛情と、はちみつにかける情熱にあふれた統括事業本部長の中田学さんをはじめ、社員は全員が養蜂家。ビースーツに身を包み、養蜂場でミツバチのお世話をする生産者でもあるわけです。「全員がOKを出さないと商品としては販売できません」と、本物を知る養蜂家たちが納得したものだけを商品にしています。その信念は全国へと広がり、百貨店や高価格帯のアイテムを販売するスーパー、全国から厳選した商品が集まる食のセレクトショップなど、こだわりの強い消費者が来店するショップから選ばれています。「嘘偽りのない、素直なはちみつを届けたい」。中田さんの言葉の中にも、本物を追求する生産者としての強い思いを感じます。

楽しそうにミツバチの話をしてくれた中田さん。情熱を持っているからこそ、商品にも嘘がありません。

大分県内をはじめ、全国各地の季節の花から採蜜したはちみつは、風味も香りも自然のまま。

大分の名産品『かぼす』とはちみつを組み合わせた、新しいはちみつが誕生

良質なはちみつを多くの消費者へ届けるために、『はちみつ加工品』の開発にも力を入れています。中でも、「大分県に拠点を構える会社として、いつか作りたかった商品」と中田さんの念願がかなったのが、大分県産かぼすを使ったはちみつです。『大分のかぼすはちみつ』と名付けられた商品は、大分空港との共同開発によって生まれ、大分空港でしか買えない特別な一品。かぼすの香りを引き立たせるために試行錯誤したといいますが、その甲斐あって、口に入れた瞬間にふわりと香るかぼすのさわやかさがしっかり感じられるはちみつができあがりました。

従来、加工品には外国産蜂蜜が使われることが多いそうですが、同社では人気商品でもある国産の『百花はちみつ』を使用。コストはかかりますが、おいしさと安心・安全を第一に考えました。観光土産として人気を集め、大分空港で販売されている約3000種類の商品の中で、2024年には人気ランキング3位に。「大分の新たな名物になれば」と期待を寄せています。

やさしい甘みとさわやかな風味。大分空港でしか買えないという特別感も購買意欲をかきたてます。

高い生産技術が評価され、有名店とのコラボレーションが実現

はちみつの生産はもちろん、充填やラベル張りに至るまで自社一貫体制で行なっています。天然のものを扱っているからこそ、全ての工程に人の目を光らせることで、安心・安全への責任を果たしています。

このような高い生産技術や安全管理体制が評価され、『ドトールコーヒー』とのコラボレーションが実現202410月に販売を開始した『コーヒー豆を浸して作ったはちみつ』は、芳醇なコーヒーの香りや風味と、はちみつのやさしい甘さが見事に融合した一品です。「結構苦労しましたね」と開発当時を振り返る中田さん。どう合わせれば、コーヒーの風味や香りを表現できるか…。最初は、はちみつにコーヒー豆を1ヵ月ほど浸してみたそうですが、焙煎具合や豆の種類によって味にばらつきがありました。研究を重ねていたときにヒントになったのが、ドリップコーヒーです。

豆を挽き、ドリップコーヒーの要領ではちみつをとおしてみると、はちみつとコーヒーの良さが引き立ちながらも、バランスの取れた味わいに。商品化に向けて独自開発した専用のドリップ機は、特殊な網で二重ろ過することで、コーヒーの粉が入らないように工夫されています。はちみつの重さだけでじっくり圧をかけながら濾すことで、ほんのりとコーヒー色ながらクリアなはちみつに仕上がりました。

別府市内の有名寿司店のデザートに採用されたり、情報番組で取り上げられたりと、発売以来注目の商品に。現在はドトールコーヒーと同社のオンラインショップ限定の販売ですが、「いつか全国の小売店で販売したい」と看板商品のひとつとしてさらに広がりをみせそうです。

ろ過して残ったコーヒー粉は、クリームパンで有名な『八天堂』とドトールとの3社コラボ商品として、2023年に『コーヒー&はちみつくりーむパン』としてドトールオンラインショップで数量限定販売。「加工品を通じて当社のはちみつを知ってもらえるきっかけになるとうれしいですね」と、消費拡大に向けて可能性が広がっています。

バニラアイスにかけたり、ホットミルクに入れたり。大人のほっと一息におすすめ。

ミツバチにやさしい環境を守る責任を果たし、養蜂業界を活性化したい

ミツバチと共に歩んできたこれまでの中で、環境の変化を実感しているという中田さん。例えば、昔ははちみつといえば“れんげ”が主流でしたが、れんげ畑が減少してしまい、れんげはちみつは今や希少なものに。環境の変化はミツバチの生態にも影響を及ぼしていて、採蜜の時期も変わってきているといいます。「花が咲いているからはちみつがとれる、という単純なものではありません。ミツバチだけではなく、自然環境にも手をかける必要があります」と、れんげの種をまいて花を育てるなどの取り組みをすでに始めています。 

他にも、『コーヒーを浸して作ったはちみつ』で使うコーヒー豆が入った麻袋を養蜂の作業で必要な燻煙器の燃料として使うなど、早くからSDGs的な取り組みを続けてきました。ミツバチが飛び交い、季節の花が咲く―。そんなあたり前の光景を守ることも役割としてとらえています。養蜂場の見学も積極的に受け入れながら、「養蜂家になりたいという人がいれば、技術を惜しみなく伝えていきたい」と、次世代の養蜂家育成にも目を向けています。これからも、「自然のまま」を届け続けるために、原点を大切にしていきます。

本社には直売所を併設。蜂のロゴマークは、公募で全国から集まった中から選んだもの。

養蜂場から戻ってきた巣箱には元気なミツバチが。本社でもこの光景を見られます。

これからも、「自然のまま」を届け続けるために、原点を大切にしていきます。

株式会社蜂の音

PROFILE

代表取締役
白石 秀明
事業内容
養蜂業・製造・販売

CONTACT

住所
大分県速見郡日出町大字豊岡884
TEL
0977-76-8232
FAX
0977-76-8235
HP
http://www.hachinone.com/

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