閉じる
メルマガだけのお得な情報満載!大分の食にまつわる旬な情報をいち早くお届けします。たすきのメルマガ。無料会員登録はこちら。
個別相談依頼は
こちら
滋味深い 松岡椎茸 滋味深い 松岡椎茸

伝統を後世へ伝えるために老舗椎茸屋だからできること松岡椎茸生産販売株式会社 [ 大分県九重町 ]

  • カテゴリ
  • 農産物加工

創業から120年以上。安心・安全・おいしい大分県産の原木乾椎茸を取り扱う老舗卸問屋。近年は加工品開発にも力を入れながら、乾椎茸の魅力を発信しています。創業から変わらない歴史を大切にしながら、時代のニーズをとらえたアイデアをカタチに。大分県を代表する産品の消費拡大の一翼を担っています。

代表取締役 松岡恭史さん

この記事をシェアする

貴重な食材「原木椎茸」の可能性を見出して九重町へ。

椎茸は今や、一年中スーパーに並ぶ食材としておなじみですが、「菌床」と「原木」と、栽培方法が異なる2種類が存在します。菌床椎茸はおがくずに菌を入れて人工的に栽培する方法で、収穫サイクルが早いため季節に関係なく収穫が可能。一方原木椎茸は、原木(クヌギ)に種菌を打ち込み(こま打ち)して栽培する方法で、収穫までに2年ほどかかります。

「椎茸は、風に吹かれて飛んでくる椎茸の菌が偶然クヌギに付着してできるもので、まさに自然の恵みといえる貴重な食材でした」とは代表取締役で5代目の松岡恭史社長。こま打ちの技術が誕生したことで、生産量が増加したそうです。貴重な食材の可能性を見出した創業者は、1901年、生産者とともに津久見市からクヌギが豊富な九重町へ。当時は生産者として栽培を手がけながら、生産量拡大や普及に尽力しました。その後法人化し、卸問屋へと事業は変化しましたが、大分県産原木椎茸の魅力発信に取り組み続けています。

代表取締役で5代目の松岡恭史社長

「本物を伝えていく義務」を果たすために、大分県産の原木椎茸にこだわる。

同社では贈答品の需要が高く、大分県内の百貨店をはじめ、都市圏などでも人気を集めているといいます。「“松岡さんのところの商品なら安心”と信頼をいただけるものを提供し続けなければなりません」と、100%大分県産の原木椎茸にこだわっています。

貴重な食材の「原木椎茸」

おいしくて、安心して食べられる椎茸を。創業以来守り続けてきた思いを守るために、「大分県乾しいたけトレーサビリティシステム」によって履歴のわかるものしか取り扱いません。決して安価ではありませんが、高い品質を誇るものだからこそ、多くの顧客を獲得しています。

「卸問屋として、本物を伝えていく義務があるんです」。時代とともにしいたけを取り巻く環境は少しずつ変化していますが、「本物」を追求する姿勢は変わりません。これには、品質の高いものを消費者へ届けたいという思いと同時に、生産者に対する敬意の表れでもあります。

松岡椎茸生産販売株式会社の「原木椎茸」

100%大分県産の原木椎茸にこだわっています。

生産者は年々減少し、後継者不足が課題に。「この地域の生産者は現在10人くらいで、平均年齢も70代。栽培には手間暇がかかりますから、後継者確保が難しくなっています」。一部機械化が進んだとはいえ、伝統的な栽培方法には手作業も多く、重労働。生産者の苦労を間近で感じてきたからこそ、背景にある価値まで届けたいという思いも強いようです。「創業から変わらずに大分県産椎茸にこだわれるのは、栽培してくれる生産者がいるから。価値を高めて、みなさんに還元していきたいです」と、生産者に寄り添う姿勢を大切にしています。

一部機械化が進んだとはいえ、伝統的な栽培方法には手作業も多く、重労働

生産者の苦労を間近で感じてきたからこそ、背景にある価値まで届けたいという思いも強い。

加工品でもっと身近に。本来の味が伝わる商品づくり。

乾椎茸の「おいしいけど手間がかかる」というイメージを払拭するため、手軽に使える加工品の開発に力を入れています。これまでにお吸い物、ふりかけ、ドレッシングなどを開発。『椎茸のお味噌汁』は、九重町の味噌醤油醸造場『麻生醤油』の味噌を使いフリーズドライで仕上げた商品で、贈答品としても喜ばれています。

手軽に使える加工品『椎茸ふりかけ』と『椎茸のお味噌汁』

乾椎茸の「おいしいけど手間がかかる」というイメージを払拭するため開発されたドレッシング

加工品のこだわりは、無添加で保存料を一切使わないこと。そのままで販売できるほど質の高い乾椎茸を贅沢に使っている点も特徴です。オリジナリティを追求するために、中身はもちろんパッケージにもこだわり、『松岡ブランド』を大切にしています。「伝統的でありながら革新的。手に取りたくなる新しさの中に、椎茸という伝統産品の魅力が伝わるように心がけています」。

中身はもちろんパッケージにもこだわり『松岡ブランド』を大切に

また、自社工場を持っていることも強みで、ダイスカットやスライスなどの裁断、瓶やパック製品の真空加工なども可能。これからも、手作りのおいしさを大切にした加工品を展開していきます。

加工品の原点は、おばあちゃんの味『うま煮』。

加工品の代表ともいえる商品のひとつが『椎茸うま煮』です。これは松岡社長の祖母が考案したもので、大分県産原木乾しいたけを一晩かけて戻し、国産丸大豆しょうゆと戻し汁でていねいに炊き上げることでふっくらとした仕上がりに。生椎茸とはまたひと味違う、しっかりとしたうまみや独特の食感を味わえる一品です。

松岡社長の祖母が考案した『椎茸うま煮』

昔ながらの製法をそのままに、自社工場で製造。素材の味を感じられる独自のレシピによって、ごはんのおともとしてはもちろん、クリームチーズと合わせてワインのおつまみに…といったアレンジも自在にできます。

伝統を絶やさないために。

加工品は椎茸の魅力を発信するためのひとつの手段であり、「大分県産の原木乾椎茸が軸であることは、これからも変わりません」と松岡社長。これを維持するために、生産者が儲かる仕組みづくりと、消費者が手に取ってくれる魅力周知といった、“生産と消費の循環”が重要です。そのためには、「大分県の人にも、もっとたくさん食べてほしいですね」と、大分県を代表する産品として、地元の消費拡大に向けた取り組みも課題なのかもしれません。

大分県産の原木乾椎茸について語る松岡社長

健康や美容の観点からも注目され、日本産の原木椎茸は海外でも高く評価されはじめています。「小さい頃からたくさん食べてきたから、私も兄弟たちもスリムだし、健康を維持していますよ」と笑顔の松岡社長。生産者の思いを背負いながら、消費者のニーズに応える商品を通じて本物を日本全国、世界へ。椎茸は、大きな可能性にあふれています。

松岡椎茸生産販売株式会社

PROFILE

設立年月
昭和42年10月
代表取締役
松岡恭史
事業内容
乾椎茸販売、加工品開発・製造・販売

CONTACT

住所
大分県玖珠郡九重町菅原1433
TEL
0973-78-8114
FAX
0973-78-9718
HP
https://www.matsuokashiitake.com/

この記事をシェアする