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有限会社亀の甲

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有限会社亀の甲-あゝ、甘酒への研究心が止まらない 有限会社亀の甲-あゝ、甘酒への研究心が止まらない

甘酒専業だからこそいろんな種類を作ることができる有限会社亀の甲 [ 大分県佐伯市 ]

  • カテゴリ
  • 茶•コーヒー•酒類飲料

清流の流れる川と、緑豊かな田畑に囲まれた佐伯市直川で甘酒を専業とする『亀の甲』。国内産の米だけを使う主力商品「酒蔵のあまざけ」をはじめ、甘酒を活用した調味料やスイーツ等、バリエーション豊かな甘酒を活用した商品を提供しており、多くのOEMを受け入れています。

代表取締役社長 狩生健之さん

代表取締役社長 狩生健之さん

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鶴と亀に守られた土地で創業

『亀の甲』があるのは、田んぼと山に囲まれた、佐伯市直川大鶴地区。そして“亀の甲”は、麹で甘酒を作り始めた親会社の『ぶんご銘醸』の社屋がある地名でもあります。亀と鶴を地名に関した縁起のいい場所にある甘酒専門の会社を任されたのが、狩生健之社長でした。

明治43年から続く清酒・焼酎づくりの酒蔵『ぶんご銘醸』で、麹を使った甘酒を作り始めたのは35年ほど前。先代社長ご夫婦はお酒作りが専門でしたが、甘酒について勉強すればするほど非常に体にいいものだということが分かり、「もっと世間に広めていきたい」と、甘酒造りに力を入れていったと言います。
しかし、麹で作る甘酒はノンアルコールのため、焼酎や酒とは違い、食品。アルコールとは衛生管理も全く違うため「甘酒だけの製造ラインを作りたい」と、社長のお母さまが興したのが、麹で作る甘酒の専門工場・会社の『亀の甲』でした。麹は焼酎や酒の原料でもありますし、酒造りに欠かせない清流もあります。さらに、直川は県南の米どころ。米、麹、水、甘酒作りに欠かせない原料はすでに揃っていました。

国内産の米だけを使う主力商品「酒蔵のあまざけ」

国内産の米だけを使う主力商品「酒蔵のあまざけ」

『亀の甲』があるのは、田んぼと山に囲まれた、佐伯市直川大鶴地区

『亀の甲』があるのは、田んぼと山に囲まれた、佐伯市直川大鶴地区

甘酒ブームが来るなんて思ってもいなかった

ご両親の念願で作った甘酒専業工場でしたが、当時の甘酒といえば酒粕で作るアルコールが少量残ったものが主流。今のように需要も多くなく、社員は、社長を含め、3名のみ。小規模な甘酒工場からのスタートでした。それでも、品質管理の難しい夏は操業を止めるなど、1年を通して甘酒を製造できない現実も。創業メンバーのひとりであり、現工場長を務める柳井さんは、「夏は田んぼに出てね、田仕事をしよったんですよ」と、当時を振り返ります。

そんな時に始めたのが、OEM。最低1000本でも受けられるロッドの少なさもあり、徐々に需要が伸びはじめます。初めは、食用の米には向かない古米や無選別の質のよくない米が届き、悩まされたこともあるそうですが、そんな時も「そんな米では作れないと、返却していたんですよ(笑)」と柳井さん。原料の品質にもこだわってきました。
たくさんのOEMを受け入れ、それぞれの細かな要望に答え続けた結果、たくさんの知識と経験も積み上げられました。原料が少なく添加物も加えていない甘酒だけに、実は味の変化をつけるのは大変な作業です。
中でも難しいのが「甘さを抑えたい」というリクエスト。「お湯を入れて薄めるのは簡単ですが、それはあまり面白くない」と、柳井さん。最近は甘さを抑える研究や試作を重ねています。「米の持っているポテンシャルを引き出しながら、“もっと飲みやすく”っていう課題は、永遠にあるだろうと思っています。まだまだ広がるんですよ、甘酒の可能性は!」と、柳井さんのアツイ研究心は止まりません。

原料の品質にもこだわってきた

原料の品質にもこだわってきた

原料が少なく添加物も加えていない甘酒だけに、実は味の変化をつけるのは大変な作業

原料が少なく添加物も加えていない甘酒だけに、実は味の変化をつけるのは大変な作業

食べておいしいお米は、甘酒になってもおいしい

甘酒は発酵ではなく糖化でできるため、すごく“甘い”のが本来の姿ですが、時代に合わせ飲みやすく変化も。「僕が目指しているのは、甘味やコクがあるけど後味スッキリな甘酒です。そのために、麹に付ける菌を変えたりもしました」と、狩生社長。
その結果、創業当初から作り続けている国内産の米だけを使う「酒蔵のあまざけ」は、大手スーパーやグリーンコープなどでも取り扱う、主力商品に。創業時は夏場には操業を止めていた甘酒工場も、『亀の甲』だけでは足りなくなり、「酒蔵のあまざけ」専門工場である『麹の杜』を新設
試飲などもできるショップを併設しました。現在は、1日に1万2000本まで製造できるそうです。そして、『亀の甲』では、新商品の開発や、小ロッドでのOEMを受け続けています。「大手さんにOEMを頼むと『それはできません』って言われることもあると思うんですが、うちは『それを作るためにはどうしたらいいか』っていうことを、一緒に考える。そうすることで、うちのノウハウの蓄積にもなります。お客様からの依頼や相談にどうやってサポートできるか、いつも話し合いながら作ってくようにしています」。

「酒蔵のあまざけ」専門工場である『麹の杜』を新設

「酒蔵のあまざけ」専門工場である『麹の杜』を新設

味のバリエーションも増加。調味料としても万能!

『亀の甲』では、甘酒のバリエーションも豊富。地元直川の米と水で作る「こうじのあまざけ」には、大分特産のカボスや、ゆずの果汁を混ぜたスッキリ味の商品もラインアップされています。
さらに、四季で味が変わる「小町シリーズ」で、フレーバー甘酒作りにも着手。冬の「雪ん小町」はおしるこ味、春は「桜小町」、夏の「ひまわり小町」は日向夏入り。そして秋の、焼き芋味の「もみじ小町」を作った時に、香料を加えることで風味の再現に成功したため、スイーツ甘酒作りにも挑戦。新商品の「ティラミス」と「ショートケーキ」は、スイーツ甘酒開発担当でもある狩生社長の自信作です。

『麹の杜』に併設したショップでは、自慢の甘酒の飲み方アレンジも提案しています。特におすすめなのは、トマトジュースと合わせた「トマトあまざけ」。トマトジュース1:甘酒4の割合で合わせると、まるで塩トマトジュースのような甘くリッチな味わいに。夏場は、同量の炭酸水と割るのもオススメ。“飲む点滴”とも言われる甘酒を、ゴクゴクッと爽やかに飲み干すことができます。もちろん、お酒や焼酎と合わせても。「個人的には、焼酎2:甘酒8がベスト。結構甘いんですけど、うまいんです! 焼酎は、芋や米より、麦焼酎が一番合いますよ」と狩生社長。
また、砂糖代わりに甘酒を使う料理のレシピも提案しています。中でもスタッフ皆さんが「フワフワになるんですよ!」とイチオシするのが卵焼き。柳井さんは、カレーや豚汁にも使っているそう。「ちょこっと入れると、野菜の甘さの向こう側に、もう1段階甘さがくる。甘酒にはアミノ酸が入っているから、コクが出るんですよ。料理に甘酒を使うのは、本当にいいと思いますよ」。

甘酒のバリエーションも豊富。地元直川の米と水で作る「こうじのあまざけ」(右)

甘酒のバリエーションも豊富。地元直川の米と水で作る「こうじのあまざけ」(右)

スイーツ甘酒の新商品「ティラミス」と「ショートケーキ」

スイーツ甘酒の新商品「ティラミス」と「ショートケーキ」

『亀の甲』では、新商品の開発や、小ロッドでのOEMを受け続けている

新商品の開発や、小ロッドでのOEMを受け続けている

佐伯を麹の町に

甘酒の可能性を広げ、バリエーションも増やしてきた『亀の甲』。現在は、自社で作る麹を使った調味料も制作しています。「塩麹」のほか、料理に使っても、刺身につけてもおいしい「醤油麹」も製造中。「麹って昔からある発酵文化なんですけど、今はあまり馴染みがない。麹の持つ酵素で旨みが増したり、たんぱく質を分解してお肉を柔らかくしたり、とってもいいものなんです。これからは、甘酒はもちろん麹ももっと広めていきたい。将来的には、佐伯自体を“麹のまち”にしたいんです」。スイーツ好きの狩生社長は、目を輝かせます。

有限会社亀の甲

有限会社亀の甲

PROFILE

設立年月
2004年10月
代表取締役
狩生 健之
事業内容
甘酒および米の製造、販売

CONTACT

住所
大分県佐伯市直川大字横川字大ツル817番地
TEL
0972-58-5880
FAX
0972-58-5822
HP
http://koujinoamazake.com/

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