便利で簡単！主婦の目線で生まれたやさしい冷凍食品クールフーズHANA ［大分県大分市］

カテゴリ
調理冷凍食品

主婦ならではの着眼点で商品開発を行っている冷凍食品専門店。おおいた豊後牛を使った｢わっぱめし｣や｢おむすび｣など、店頭販売のみならずお取り寄せグルメとして全国でも話題に。“おいしい・手軽・華やか”な冷凍食品を製造･販売しています。

代表取締役　江藤八重子さん（写真右）

この記事をシェアする

大分に住む私たちが誇れる『地元の味』を広めたい！

以前はカフェを経営していた社長の江藤八重子さん。場所柄、県外から出張で訪れる客が多く｢せっかく大分に来てくれたんだから、地元のものを食べてもらいたい｣と、大分県産食材の豊後牛を使った炊き込みごはんを提供していたそう。

そのうち持ち帰りの要望も増え、弁当にして対応していましたが、時間が経ってもできたてのおいしさを味わってもらいたいと思うようになり、目を付けたのが冷凍食品でした。｢当時、冷凍庫の機能を売りにしているCMをよく見かけるようになって、冷凍食品の時代だ！と思ったんです｣。
しかし冷凍の技術や知識が全くなかった江藤社長（写真右）。本で調べてみても専門的なことしか書かれておらず悩んでいたところ、急速冷凍庫の存在を知りました。｢私たちみたいな小さな会社が大手企業の冷凍食品に肩を並べることはできないけど、家庭の味なら勝負できるはず｣と考えた江藤社長は、思い切って急速冷凍庫を導入し、大分県産食材を使った“お母さんの味”を冷凍食品にすることを決意。フードコーディネーターのアドバイスも受けながら、体にやさしい商品の開発をスタートしました。

なんとかできあがった商品を持って東京･幕張で開催された見本市に参加した時、大きな出会いが訪れます。一人の男性が足を止めて試食。｢ん？という顔をしたので、何かあればぜひご意見をくださいと伝えたら、改善点や素材のアドバイスをいただきました。のちにわかったことなんですが、実はこの男性、ホテルオークラ東京の和食総料理長、星則光さんだったんです｣。衝撃的な出会いの後も、温度管理の方法や無添加食材の提案などのアイデアをもらう関係は今でも続き、商品づくりに生かされているといいます。

おおいた豊後牛を使った｢わっぱめし｣や｢おむすび｣など、店頭販売のみならずお取り寄せグルメとして全国でも話題

大分県産食材を使った“お母さんの味”を冷凍食品に

レンジで温めるだけでできたての味。食卓が楽しくなる商品を。

冷凍食品の中にはフライパンでひと手間加える必要があるものや、それによって洗い物が増えてしまうことなど、主婦目線で考えるとまだ面倒があると感じた江藤社長。｢自分が便利だと思うものを作りました｣というその商品はまさに主婦の味方。特に『わっぱめし』は、器に日田杉わっぱを採用したこだわりの一品。袋ごとレンジで温めてそのまま食卓に出すだけで、ちょっと贅沢な気分を味わえます。

できたてのおいしさを再現できるのは、まず急速冷凍庫の存在。家庭で冷凍したものはレンジで温めると、水っぽくなってしまうという難点がありました。急速冷凍庫を使うと芯から一気に凍らせることができ、おいしさをぎゅっとつめこんだまま冷凍ができるのです。また、“炊きたて”を再現するため、水分量や炊く時間などは特に研究を重ねたといいます。｢これは企業秘密ですけどね｣と笑う江藤社長の苦労が実り、最高の加減にたどりつきました。

また、“食べものが体をつくる”という観点から、素材選びにも妥協はありません。塩や醤油などの調味料は無添加のもの、野菜を洗ったりごはんを炊いたりなど工程で使う全ての水にはオゾン水を使うなど、手間を惜しみません。こだわりの食材・技術・製法に、作り手の愛情がプラスされ、ここにしか作れない一品が生まれています。

器に日田杉わっぱを採用したこだわりの『わっぱめし』

小さな会社の“家庭の味”がメディアに注目される理由

店舗は決して大きな設備を備えているわけではないし、衛生面を考慮して作り手は2人だけ。そんな小さな会社の商品が、2019年末に発行された全国誌の『日本一のお取り寄せを探せ！』特集で竹皮しゅうまいが紹介され、準グランプリを獲得しました。また、江藤社長の夢だったという航空会社の機内誌で『おおいた豊後牛わっぱめし』がお取り寄せグルメとして掲載されるなど、全国的に注目を集めています。

大分では｢全国誌にのった企業がある｣と地元新聞からの取材を受け、お客様が増えるきっかけになったといいます。｢小さな会社でも、まじめに、丁寧に、思いを込めて作っていれば伝わるんですね｣と笑顔の江藤社長。様々なメディアで取り上げられられたことも重なり、百貨店や大手スーパーからお中元やお歳暮などのギフト依頼が続々。おむすびやわっぱめしには豊後牛、竹皮しゅうまいには九重夢ポークを使うことで、大分県自慢の食材が全国へ知られる契機にもなっています。

忙しくなった今でも大切にしているのは、贅沢ではないけれど、誰もがもつ特別な“家庭の味”。｢ごはんと味噌汁は毎日食べても飽きない。そんな素朴だけどほっとする家庭の味をこれからも目指し続けます(江藤社長)｣。女性ならではの目線から生まれた冷凍食品は楽しい食卓を彩り、食べた人に幸せをもたらしています。