ハンバーグで大分の“味力”を発信！株式会社ミートクレスト［大分県大分市］

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畜産食料品

大分で150年以上続く老舗の肉問屋。大手食品メーカーや有名レストランとの取り引きも多く、業務用商品などOEMにも幅広く対応しています。近年はふるさと納税返礼品も企画・開発。今年はECサイト『清田本店』をリニューアルし、BtoC向け商品にも力を入れています。

左から営業部の髙橋征志さん、製造部部長の吉武泰史さん、管理部企画広報の横山花奈さん

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お肉と共に、152年

『ミートクレスト』は、明治5（1872）年、家畜商からその歴史が始まりました。以来、肥育も行い、食肉の知識も取扱量も実に豊富。何より、これまでに培ってきた“確かな肉の目利き”には自信を持っています。

そんなミートクレストの創業150年を記念し、2022年に公式通販サイト『清田本店』を開設しました。「おおいた和牛」や「おおいた豊美牛」など大分を代表するブランド牛を中心に扱い、厳選したお肉や加工品が並んでいます。

ふわっとした食感で、濃厚な旨味。とても柔らかく、おおいた和牛そのものの味わいを堪能できる「おおいた和牛ヒレステーキ」

柔らかい肉質で、豊かな風味ととろけるような食感が特徴の「おおいた豊美牛ローススライス」

大分の和牛ブランド「おおいた和牛」を使用したローストビーフは、甘くまろやかで贅沢な味わい。ギフトにも人気だ

大分のおいしさが詰まったハンバーグ

『清田本店』が開設されたその年。もう1つの新たなプロジェクトが進行していました。それが、ふるさと納税の返礼品。これまでも、『ミートクレスト』が扱う県産牛や豚肉の商品が各都市のふるさと納税で人気の返礼品になっていることはよくありました。しかしこの年に取り組んだのは、複数の自治体が協力して1つの商品を作る「共通返礼品」。社としても初めての挑戦でした。

自社にハンバーグの成形機があるため「ハンバーグの商品作りに挑戦できないか」と、JA全農おおいた協力の元、各自治体へ相談。「私たちは肉屋なのでお肉のことには詳しいんですが、各自治体さんや全農さんは他の素材についても断然詳しいですから」。その思惑は見事に的中。豊後高田市の牛肉、日出町の豚肉、竹田市のトマト…。“ハンバーグ”をテーマに、魅力的な素材が、次次に出てきます。数日で食材の候補はほとんど決まってしまいました。

「共通返礼品」への挑戦を担当したのは、高橋さん。「この時ばかりは、かなり動き回りましたね」

「国東市には新鮮なバジルがある、ソースに使えるのでは？」と、『くにみ農産加工』のバジルも素材候補に

全国でも珍しいコラボ商品が完成

しかし、物事はそう簡単に進みません。何せ8自治体とのコラボです。それぞれの自治体へ出向き企画を説明して許可取り。自治体の許可が取れたら、食材の生産者や製造者へ出向き、説明して協力してもらう…。県内を東から西へ、北へ南へと、自治体や生産者との協議に奔走します。

その努力のお陰もあり、大分市の『ミートクレスト』が製造するハンバーグには、豊後高田市の牛肉と日出町の豚肉に、杵築の緑茶粉末や佐伯の塩が。中津市の『田中醤油店』特製のデミグラスソースには、竹田市のトマトや国東市のバジルが入っています。おいしいお肉と大分県の自慢の食材と合わせた、その名の通り“おおいたの恵”が詰まったハンバーグが完成しました。

「大分県の食材って本当になんでもおいしいんですよ。そのおいしさをこの商品を通して、少しでも多くの方に知っていただきたいと思います。」と、企画広報の横山さん

大分の食材の豊さや地域の魅力も発信したいと開発した「おおいたの恵みハンバーグ」。湯煎で解凍するのがおすすめ

旨味のある肉厚なハンバーグを、トマトとバジルが香るデミグラスソースでいただく

『清田本店』で新たな一歩を

「おおいたの恵ハンバーグ」がふるさと納税の返礼品に登場すると、人気商品に。食べた後に「追加で購入したい」という声が多く寄せられるようになりました。

今年、2024年の初夏には公式通販サイト『清田本店』がリニューアルオープン。確かな目利きで選んだ自慢の逸品を個人客へ届ける、BtoC向けの新たな“オリジナルブランド”として、生まれ変わりました。通販サイトでリピート購入をする人も多いといいます。

同時に、「おおいた恵ハンバーグ」もパッケージを一新。包材にもこだわりました。

“おおいたの恵”が詰まっていることが一目で分かるよう、素材のイラストを入れるなどした新パッケージ

プレミアムな牛の生ハムが人気

そんな「清田本店」での人気商品が、「おおいた和牛の生ハム」。こちらも、数年前に国東市のふるさと納税の返礼品として誕生した商品ですが、昨年は8万パックも売れる人気商品に。牛肉の生ハム自体が珍しいのですが、中でも大分県自慢のブランド牛「おおいた和牛」を使った貴重な一品です。「うちには150年を超える経験や知識の蓄積がありますから。過去には熟成牛に取り組んだこともあるんですよ」。「おおいた和牛」を使ったプレミアムな生ハムも、肉屋としての経験と目利きあっての商品なのです。

全国的にも非常に珍しい和牛を使った「おおいた和牛生ハム」は、程よい塩味ととろける食感の虜に。

老舗の挑戦は続く

「お肉は皆様を笑顔にする」が社のモットー。「自治体や企業、生産者とのコラボレーションを今後も続けていきたい」と、新商品の企画・開発にも意欲的です。「“大分で150年続く肉屋だからできること”を基本に、開発できたら。その中に、大分の特産品や知る人ぞ知る大分の美味しさも組み込んで全国に発信していくことが、『清田本店』の役割だと思っています」。

150年の歴史があるからこそ、将来につながる商品を。おいしい肉を知っている。確かな目利きを強みに、進化を求め老舗の挑戦は続きます。