こんにゃくの新たな価値を創造株式会社クマガエ [ 大分県日田市 ]
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昭和2年創業以来、素材と伝統製法にこだわり、上質なこんにゃくを作り続けるこんにゃくメーカー『クマガエ』。時代のニーズを捉え、あっと驚くようなアイデアで、美容や健康に特化した創作こんにゃくを生み出します。
代表取締役社長 熊谷隆政さん
伝統と革新。80種類以上の創作こんにゃく
水郷日田に工場を構えるこんにゃくメーカー『クマガエ』、昭和2年の創業以来、素材を吟味し、伝統製法を守り、上質なこんにゃくを作り続けています。
これだけなら、老舗こんにゃくメーカーとして珍しくない話かもしれません。クマガエが注目を集めるのは、伝統を守るだけでなく、時代のニーズを捉え、まわりがあっと驚くようなアイディアで、美容や健康に特化した創作こんにゃくを生み出している点にあります。
味も食感もホルモンそっくりな「ほるこん」、かみごたえ満点の「ゴリ漬け」、低カロリーの「こんにゃくスイーツ」等、ヒット商品の数々はメディアで紹介されることもあります。
これらの創作こんにゃくが生まれた背景には代替食品の考えがあります。例えば、こんにゃくスイーツは糖尿病で苦しむ社長の祖母のために考えられたもの。
「食べたいものが食べられない。そのストレスをなんとかしてあげたかった。そこが出発点です」。代替食品には美味しさが求められます。美味しくなければ満足できず、真の“代替”にはなり得ないからです。
だからこそクマガエの創作こんにゃくの完成度は群を抜いています。こんにゃくスイーツ・ラングダンシュシリーズの一番人気「とろ~り黒胡麻こんにゃくスイーツ」はとろとろの食感で、甘み強く、初めて食べた人はまずこんにゃくとは思いません。世の中にこんにゃくスイーツは数あれど、ここまで満足度が高いものは希少。実際、全国各地で行われる催事に出店・出品した際には、女性を中心に人気を得ています。
全国ネットのテレビ番組でも紹介されたほるこんは痛風の友人のために、ゴリ漬けは噛む力が弱くなった現代の子どもたちへ噛むことの大切さを伝えるために。需要を見極め、“誰かのために”生まれた創作こんにゃくの数々。食物繊維が豊富で、低カロリー、代替え機能を備え、しかも本物に引けを取らないほど美味しい。これでヒットしないわけがないのです。
昭和2年の創業以来、素材を吟味し、伝統製法を守り、上質なこんにゃくを作り続けている
こんにゃくスイーツは糖尿病で苦しむ社長の祖母のために考えられた
“誰かのために”生まれた創作こんにゃくの数々
受け継いだものを進化させ、PB商品やOEMを開発
創作こんにゃくを最初に生み出した先代の熊谷彰人さんは 固定概念にとらわれないこんにゃく作りで数々のヒット商品を生み出した“こんにゃく界の異端児”ともいうべき存在。こんにゃくの原料であるグルコマンナン活用のスペシャリスト・マンナンマスターとして生涯こんにゃく作りに情熱を注ぎ続けた人でした。
「父は飛び抜けていましたね。卓越したこんにゃく職人であり、いつもびっくりするようなアイディアを持っていました」そう話すのは、4代目の熊谷隆政さん。現在は弟で工場長の遼二さんと2人で先代の意思を引き継ぎ、こんにゃくの新たな可能性を追いかけています。「父が1人でやってきたことを2人でやっているからマンナンマスターはまだ名乗れない」と謙遜しますが、営業と商品開発に特化した社長、それを形にする工場長。二人三脚になってから誕生したヒット商品も少なくありません。
さらに、熊谷さんの代になってからは商品開発にも積極的に取り組み、数々のPB商品やOEMを生み出しています。大手スーパーの要望で、こんにゃく消費の多い農村部用に開発したジャンボ手ごねこんにゃくや、外食チェーンと共同開発した冷凍保存しても食感が変わらないこんにゃく等、すでに多くの実績があり、現在はミンチ肉の代わりにこんにゃくとおからを使った「こんにゃくミンチ」を試作中。
定番・業務用から、伝統の手ごね、美容、食育、スイーツまで熊谷さんのこんにゃくへの情熱、構想は尽きることがありません。「父にはかなわない」と笑いますが、マンナンマスターへの道を着実に歩いているようです。
4代目の熊谷隆政さん。弟で工場長の遼二さんと2人で先代の意思を引き継ぎ、こんにゃくの新たな可能性を追いかける
90年守り続けた製法と、素材へのこだわり
創作こんにゃくの成功は基本となるこんにゃくの品質が高いからこそ。水郷日田の清らかな水と、こんにゃくの本場・群馬から取り寄せた高品質のこんにゃく芋を使ったクマガエのこんにゃくは食感、味わいが秀逸で、食べ比べるとその違いに驚かされます。
もちろん、製法にも一切妥協はありません。例えば、人気の手ごねこんにゃく。昔ながらの手練り製法を守り、一つ一つ手でこねているのですが、なんと4種類ものこね方があるそう。「力の入れ具合で食感が大きく変わります。気温にも左右される。常に一定の品質を作り出せる“一人前”なるまでには長い時間がかかります」。
さらに、苦手な人も多い独特のこんにゃく臭をほとんど感じないのも特徴。「臭いの原因はこんにゃくを固める際に入れるカルシウムとの化学反応。カルシウムが少なければ固まらないし、多ければ臭いやえぐみが出る。試行錯誤してギリギリのラインにたどり着きました」。クマガエのこんにゃくは、こんにゃく嫌いの人でも美味しく食べられるーそんな評判は、たゆまぬ努力の賜物なのです。
人気の手ごねこんにゃく。昔ながらの手練り製法を守り、一つ一つ手でこねている
誰も見たことがない新製品を日田から全国へ
「一社でやっていくつもりはありません。たくさんの人や企業と協力しながら、現在の市場にない新製品を生み出したい。こんにゃくが前面に出なくてもいいし、出る必要もない」そうさらりと言ってのける熊谷さん。
こんにゃくに対する熱い思いは、多くの人の心を捉え、動かし、クマガエを取り巻く“人の輪”は年々広がっています。日田から、世間を騒がす全く新しいこんにゃくが生まれる日も近いかもしれません。
こんにゃくに対する熱い思いは、多くの人の心を捉え、動かし、クマガエを取り巻く“人の輪”は年々広がっている
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株式会社クマガエ
PROFILE
- 設立年月
- 1927年
- 代表取締役
- 熊谷 彰人
- 事業内容
- こんにゃく製造業、総菜製造業、菓子製造業、その他一般食品
CONTACT
- 住所
- 大分県日田市新治町304
- TEL
- 0973-24-6123
- FAX
- 0973-24-6123
- HP
- http://kumagae.life/