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有限会社南酒造

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伝統に新たな視点を取り入れ、世界に誇る商品を。有限会社南酒造 [ 大分県国東市 ]

  • カテゴリ
  • 茶•コーヒー•酒類飲料製造

明治元年に日本酒造りからはじまった『南酒造』の歴史。同時に研究を進めていた蒸留器を使った焼酎造りで誕生した麦焼酎「とっぱい」「喜納屋」「関の舌」は、大分を代表する銘酒に。「じいちゃんの味」を守るのは、創業者の孫姉妹。杜氏の妹・瑠美さんと、営業担当の姉・さやかさんによる新たな取り組みによって、ファン拡大に挑戦している。

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焼酎離れに革命を!新商品『SHUshuTto』で新たなファン獲得へ

焼酎が並ぶ店舗の中に、一見するとおしゃれな香水のような商品。「飲まない焼酎・感じる焼酎・楽しい焼酎」をコンセプトに開発した新商品『SHUshuTto(シュシュット)』は、その名のとおり、食事に“シュシュ”っとスプレーして香りや風味を楽しむ焼酎です。南酒造を代表する麦焼酎『とっぱい』をスプレー型の容器に詰めたもので、新たな蔵完成の目玉商品として開発。2024年、ついに商品化に至りました。

「飲まない焼酎・感じる焼酎・楽しい焼酎」をコンセプトに開発した新商品『SHUshuTto(シュシュット)』

混ぜものは一切なく、香りや度数(42)はそのまま。少量をスプレーして楽しむ商品なので、日頃焼酎を飲まない人でも、『とっぱい』ならではの華やかな香りを感じられます。「焼酎瓶は重いので、お土産として選ばれにくいというデメリットがありましたが、軽量化し、ギフト要素の高い高級感のあるパッケージにすることで、観光客も手に取りやすい商品でもあります」(専務取締役の南さやかさん)と、近年のニーズをしっかりととらえています。

焼酎酒造だからできることを。

SHUshuTto』開発のヒントは、コロナ禍で需要が拡大したアルコール除菌液でした。まん延防止措置法や緊急事態宣言によって、取引先からの受注が減少してしまったため、「焼酎の酒造だからこそ今できることを」とアルコール除菌液を製造。厳しい状況が続く中で、「伝統を守るためにも、世界情勢に左右されない商品をつくらなければと実感しました」という思いが、新商品開発への思いを強くさせたといいます。

高級感のあるスプレー瓶に、さやかさんのイメージを女性デザイナーと一緒にカタチにしたラベルを貼り、ギフトとして大切な人に渡したくなる上品な箱に詰めて。焼酎とは全く異なる枠でとらえ、「思わず手に取りたくなる商品を目指しました」。これまでの酒造の枠をこえた新たな定番として定着していきそうです。

高級感のあるスプレー瓶に、さやかさんのイメージを女性デザイナーと一緒にカタチにしたラベルを貼り、ギフトとして大切な人に渡したくなる上品な箱に詰めて。

焼酎スイーツも楽しめる角打ちスペースをオープン

酒蔵見学やお土産を求めて、観光バスも多く訪れます。より多くの人に伝統の味をわかりやすく伝えたいと、20245月には増設した蔵に角打ちスペースをオープン。焼酎の販売や試飲はもちろん、焼酎に合うおつまみも楽しめる場として好評です。

酒蔵見学やお土産を求めて、観光バスも多く訪れる角打ちスペース

角打ちスペースにある酒造の心得

酒造道具も一部展示

焼酎の販売や試飲はもちろん、焼酎に合うおつまみも楽しめる場として好評です

看板メニューのひとつが、焼酎スイーツです。『酒蔵パフェ』と名付けられたスイーツはイチゴとチョコの2種類あり、お好みで『シュシュット』を振りかけながら味わいます。ふわっと芳醇な華やかな香りとやさしい口当たりが、甘いアイスクリームとよく合う新感覚の大人の味です。他にも、『とっぱい』や『喜納屋』を使ったオリジナル焼酎カクテルやノンアルコールカクテルなど、焼酎の可能性を感じられる楽しみ方をさまざまに提供しています。

看板メニューの焼酎スイーツ『酒蔵パフェ』

お好みで『シュシュット』を振りかけながら味わえます

作り手の思いを知ってもらうために、角打ちスペースから窓越しに蔵が見える設計に。製造している現地で飲む“価値ある一杯”は、美味しさも格別です。蔵見学も以前より積極的に受け入れられるようになり、地元国東市の観光活性化にも一役買いそうです。

窓越しに蔵が見える設計にした角打ちスペース

見学も以前より積極的に受け入れられるようになりました

蔵見学も可能です

蒸留器を使った焼酎造りで誕生した麦焼酎「とっぱい」

製造している現地で飲む“価値ある一杯”は、美味しさも格別です

海外でも高い評価を獲得。世界に誇る“ジャパニーズ焼酎”をつくる

酒蔵を増設したもうひとつの狙いは、製造量を増やすことです。近年、日本の焼酎は海外でも好評で、海外の展示会に参加したり、輸出量を増やしたりと、輸出事業に力を入れはじめています。焼酎は、ウイスキーやウォッカなどと同じ蒸留酒であるため、海外の人にも受け入れられやすいんだそう。賞味期限がないことも、輸出に向いている理由だそうです。さやかさんは現地に出向いた際に、飲み方をアドバイス。焼酎を通じて、日本の食文化を伝える役割も担っています。

日本の焼酎は海外でも好評。海外の展示会に参加し輸出事業に力を入れはじめています

また、麦のビターでスモーキーな味わいが特徴の『喜納屋』は、2023年にフランス・パリで開催された『KURA MASRERコンクール』でプラチナ賞を受賞。この快挙は作り手のみなさんも驚きだったそうですが、「これからも人に愛される焼酎を造り続けながら、世界一を目指します!」と、目標値はさらに高まりました。

2023年にフランス・パリで開催された『KURA MASRERコンクール』でプラチナ賞を受賞

地域を活性化するために“じっとしていない”南酒造

日本全国、世界へとその名を着実に拡大していますが、「長い歴史をつないでこられたのは、地域のみなさんが南酒造を愛し続けてくれたからです」といいます。子どもからお年寄りまで誰もがふらりと立ち寄れる場所であるためにと、小さな駄菓子屋も営業しています。「年配の人にとっては、この酒蔵が小さい頃の思い出の場所だったりするんですよ。次世代にとっても、そんな場所であり続けたいですね」と、地域にひらけた場としての役割も大切にしているそうです。

子どもからお年寄りまで誰もがふらりと立ち寄れる場所であるためにと、小さな駄菓子屋も営業

今後の目標を訪ねると、「いつか、地域の飲食店を巻き込んだイベントをしたいとたくらんでいます」と教えてくれました。料理やスイーツと自社商品を合わせたワークショップなど、人が集う場を創造していきたいといいます。

「いつの時代も“じっとしていない”のが南酒造です」と話す笑顔の南さん

「いつの時代も“じっとしていない”のが南酒造です」と話す笑顔の奥に、強い信念を感じました。唯一無二の伝統を守りながらも、時代のニーズに添った新しい取り組みを。そのためには、「地元の酒蔵だからこそできる『地域』をキーワードにした新商品の開発もしていきたい」と意気込みます。創業から変わらずに受け継がれている「人に喜ばれることを」の思いを実現するために、作り手が一丸となって歩み続けます。

有限会社南酒造

PROFILE

設立年月
1868年
代表取締役
南 瑠美
事業内容
酒類飲料酒類製造業

CONTACT

住所
大分県国東市安岐町下山口269−1
TEL
0978-67-0024
FAX
0978-67-2426
HP
https://toppai.co.jp/

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