

手軽な商品で健康をサポート 現代版「食養生」を提供する佐々木食品工業株式会社 [ 大分県豊後高田市 ]
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- 農産物加工
健康食品(青汁など)の原料製造やOEMを行う食品事業をはじめ、農業や通信販売など幅広い事業を展開している『佐々木グループ』。創業から培ってきた乾燥の技術を高めながら、食を取り巻く時代の変化に対応。企業活動を通じて健康を追求しながら、世の中をより良くするものづくりを実践する企業です

執行役員 食品事業部 事業部長 秦 政博さん
製麺業から即席ラーメンや乾燥野菜の製造業へ。“乾燥”の技術を高め続ける。
『佐々木食品工業株式会社』の前身は製麺業。『佐々木製麺』として創業し、乾麺や生麺を製造していました。
昭和44年(1969年)には、「おいしい食事をより手軽に」という世の中のニーズが増え、インスタントラーメンの製造に着手。大手メーカーの協力工場として技術を高めていく中で、業界を取り巻く環境も変化していき、袋麺からカップ麺へとスタイルが変わっていきます。そこで必要とされたのが、乾燥野菜「かやく」です。同社が持つ乾燥の技術に加え、豊後高田市にはネギなどの農産品が多かったことから、地元生産者の協力を経て乾燥野菜の製造をはじめたのが1977年のこと。誰もがきっと一度は食べたことがある人気商品の多くに、同社の乾燥野菜が使われていました。「単に野菜を乾燥するだけではありません。大きさや食感など、完成したときにちゃんとおいしいものをつくるために試行錯誤を重ねたそうです」と食品事業部事業部長の秦政博さん。麺から野菜へとモノは変わりましたが、創業以来培ってきた乾燥技術を極めていきました。

「全国の機械メーカーなどを回り、おいしい乾燥野菜をつくるためにベストな方法を追求したそうです」と秦さん。
健康志向ブームの時代に合わせて、青汁の原料製造をスタート
カップ麺の流行をとらえ、いち早く事業展開に取り組んだ創業者。高い技術力で多くの信頼を獲得し、成長してきました。しかし高度経済成長期が終わるころ、「飽食の時代は終わり、これからは健康志向がブームになる」と考え、効率的に栄養を摂れる方法として健康食品の開発に着手。製麺業やカップ麺の製造で培ってきた乾燥のノウハウをいかし、青汁原料の製造をスタートしました。

大麦若葉を原料にした青汁。現代人の野菜不足の不安に応える商品です。
“1日の野菜摂取量350gを目標に”という厚生労働省が提唱する「健康日本21」。青汁はその取り組みの一助になり得るのではないかと感じ、「青汁を飲むことで国民みんなの健康を促進したいと考えたようです」(秦さん)。手軽に摂れて健康になれる商品を通じて、世の中の役に立ちたいという思いがあったそうです。
健康維持をサポートする植物のチカラは、例えば「食が細くなった高齢者が効率よく野菜を摂取できるものを」というように、人生100年時代に欠かせないものとしてさらなる需要の高まりが予想されます。ゼリーやようかんにして食べやすくしたり、チョコクランチでよりカジュアルに食べられるものにしたりと、柔軟な発想で日常に取り入れやすい商品づくりを実践。「県内の農産品とのコラボ商品もぜひつくってみたい」と、健康をテーマにした大分発の商品づくりにも前向きです。
「本物の追求」を重視することで、OEMや原料提供で需要拡大。
ケール、ゴーヤ、大麦若葉など、青汁の原料となる植物の栽培から乾燥、粉砕、パウダー化まで自社一貫体制で行えるのが同社の強み。現在売上の約7割は原料提供が占めているそうで、「青汁といえばこれ」と、私たちがよく知る大手メーカーの商品にも、同社の原料が使われています。

原料メーカーとして、青汁の原料となる乾燥粉末の提供も多数行なっています。
多くの依頼が集まる理由のひとつに挙げられるのが、“安定供給できること”だといいます。「特に通信販売の商品は定期購入という販売スタイルのものも多く、欠品は許されません。高品質の原料を、安定的に供給できることが求められます」と秦さん。さらに、品質管理体制についても厳しい基準が求められますが、同社では食品の安全を確保するための世界基準『FSSC22000』を取得しています。
「安心・安全は当たり前の時代。常に上の基準を追求しながら、本物を届けていきたい」という考えを実現するために、同社には食の研究員が在籍。企業ミッションとして掲げている“植物のチカラで健康を提供する”を実現するために、研究を重ねてしっかりとエビデンスをとり、本当に体に良いものだけを世の中に届けています。

植物が持つチカラを研究し、より手軽に摂取できる商品づくりを行なっています。
通販事業を担う『自然食研』を設立。食養生をいまのカタチに。
OEMや原料提供で成長してきましたが、消費者と直接つながることでより多くの人に健康を届けたいと、通信販売部門として2001年に『株式会社自然食研』を設立。自社ブランドで青汁の製造販売をスタートしました。
自然食研といえば、代表的な商品に『しじみ習慣』があります。古くから「お酒を飲んだあとにはしじみが良い」と言われますが、その根拠を長年にわたって研究してきました。2017年には新成分を発見し、日本初の特許を取得しています。
他にも、黒にんにく、黒酢、ブルーベリーなど、商品ラインナップが豊富です。製品の特徴は、ビタミンやカルシウムといった“成分だけ”を摂取するのではなく、素材そのものを摂取することで健康へつなげるという“食養生”の考え方を大切にしていること。すぐれた栄養成分を持つ素材をいかに手軽に摂ってもらうかという「食の提案」をしているといえます。

CMでもおなじみの『しじみ習慣』。飲みやすいソフトカプセルにして、毎日の健康習慣に。
農業と共にある会社だからこそ、緩和と順応を
青汁の原料になる素材は、契約農家からの仕入れに加えて、2011年に農業法人『株式会社自然農研』を設立し、自社栽培に取り組んでいます。目指す未来は、有機農法で育てた植物を使い、人にも環境にもやさしい社会をつくること。「当社の事業を通じて、環境課題も解決できればうれしいですね」と秦さん。有機農法によって土壌表層の炭素貯蓄量を高める農業「フォーパーミル・イニシアチブ」の考え方に賛同し、“農業から脱炭素化”を目指して走り出しています。
自然環境の変化によって、製品づくりに欠かせない植物への向き合い方もこれまで通りとはいかない時代。脱炭素に向けた取り組みや、気候変動のリスクを軽減・回避するための適応力と、「緩和と順応」を両立させながらさらなる進化を続けていきます。

豊後高田市から全国、世界へ。健康をサポートする商品で、たくさんの笑顔を生んでいます。
佐々木食品工業株式会社
PROFILE
- 設立年月
- 1954年5月
- 代表取締役
- 代表取締役 佐々木興平
- 事業内容
- 青汁原料・健康食品素材提供・OEM・受託加工
CONTACT
- 住所
- 豊後高田市界276番地
- TEL
- 0978-24-2395
- FAX
- 0978-24-0578
- メール
- sskinfo@sasakishokuhin.co.jp
- HP
- https://www.sasakishokuhin.co.jp/