安心･安全な水を使って新たな大分の名物飲料を株式会社極東クリエイト ［ 大分県大分市 ］

未来もずっと変わらずに、人の役に立てる仕事を。

スーパーやコンビニエンスストア、自動販売機などには複数のミネラルウォーターが並び、今や水を買うことは当たり前の時代になりました。｢東日本大震災をきっかけに、私たちが取り扱っている家庭用のウォーターサーバーの需要も高まりました｣とは、取締役・営業部長の佐藤祥平さん。それまで企業などでの需要が多かったウォーターサーバーは、一般家庭にも浸透しはじめました。毎日口にする水に対して、健康、美容、安全などを求める意識が高まっているといえます。

より高品質な水を求める消費者のニーズに応える『クリクラ』の水を取り扱う｢株式会社極東クリエイト｣の設立のきっかけは、｢未来も変わらずに、人の役に立てる仕事がしたい｣という社長の思いでした。人が生きていくうえで欠かせない水は、時代が変わっても必要とされるもの。高品質の水を扱う仕事を通じて地域社会に貢献し続けるために、大分県販売代理店として2011年に事業をスタートし、2013年に法人化しました。社長の出身地である大分市横田の旧地名“花畑(はなはた)”をブランド名としたのは、｢地域から大分県下全域へ良質な水を広めたい｣という、地域を原点とした思いが込められているといいます。

安心・安全を実現するための厳しい検査基準をクリアした水を届ける。

｢より安心・安全で、自信を持っておすすめできるものを提供したい｣という考えから、厳しい独自の検査基準が定められている『クリクラ』の水を取り扱うようになりました。

クリクラの水は、最先端テクノロジーの逆浸透膜(RO膜)というフィルターを採用したシステムによって、不純物を極限まで除去し雑味を取り除いた『ROミネラルウォーター』です。｢不純物除去率が世界で一番高いとされる独自技術だからこそ、赤ちゃんからご年配の方まで安心して飲めるきれいな水として認知していただいています｣。

大分県内全域と福岡県北九州市の一般家庭を中心に、現在の契約数は5000件以上。水の配達やサーバーのメンテナンスなども全て自社の社員で行うことで、顧客からの信用を獲得しています。｢2週間に一度の水の配達や、年に一度のサーバーメンテナンスなど、全て専任の担当者がご契約者のご自宅に伺います。営業手法がアナログだからこそ、お客様との信頼関係が生まれています｣。設立から大切にしてきた地道な活動が、企業力につながっているようです。

炭酸水を製造できる新工場開設。｢もったいない｣を｢価値ある商品｣に変える。

同社では水の専用工場を完備し、原料入荷から製造、配達まで、自社一貫体制で行っています。

RO膜を通して水を製造するため、どうしても排水せざるを得ない水が半量以上あるそうです。この水を有効活用できないかと考えたのが、排水を再度RO膜に通してろ過し、炭酸水として商品化することです。2024年夏には専用の新工場を設立する計画が進行しています。

RO膜を通した水に果汁などを混ぜ合わせ、炭酸を注入して炭酸水に。特徴のひとつが、小ロットでの商品化ができることです。500本程度から製造できる体制を整える計画で、小規模の機器を組み合わせることで小ロットの受注を可能にします。また、清涼飲料水の製造は素材を香料やエキスにして水と混ぜるのが一般的ですが、例えば絞った果汁をそのまま使うことも可能に。これを実現できるのは、水の製造工程でも常に大切にしている人の目、人の手という人材力があるからです。このアナログな作業に加えて、機械ごとに作業を細分化できるバッジ処理によって、｢とろみのあるものなど、水分と混ざりにくい素材は飲料化するのが難しいとされてきましたが、そういった素材も積極的に使っていきたいです｣と、人の手と専用機械の力を最大限に活用し、商品ラインナップの幅を広げます。

おいしい水と県産品を使って、新しい大分名物をつくりたい。

｢水と大分県産品をかけ合わせて、付加価値の高い商品をつくりたいんです｣と、青果で販売できず廃棄せざるを得ない農作物や、周知拡大を狙う産品など、炭酸水と合わせることで新たな価値を創造する大分県産品を使ったオリジナル炭酸水の開発を目標にしています。消費者が手に取りたくなる商品にするためには、マーケティングによって消費者ニーズをとらえながら、おいしさはもちろん、パッケージデザインにもこだわります。｢材料を提供する、されるという完全OEMの関係性というよりも、地元の生産者や企業のみなさんと一緒に、良い商品をつくりあげていきたいですね｣と、多方面からのさまざまなアイデアを集約した商品の開発を目指しています。

良い水と、良い素材を、おいしくて身近な商品に。水まで全て大分県産の清涼飲料水が、大分の新たな名物として注目される日が来ることに期待が高まります。

雇用創出や環境保全など、事業を通じてSDGsを実現する。

水からはじまった同社の事業は、株式会社極東プラネットが運営する就労継続支援A型事業所『シリウス』の開設によって障がい者の雇用を創出したり、リターナブルボトルの採用によって海洋プラスチック削減に貢献したりと、事業として当たり前に継続してきたことがSDGsの取り組みにつながっています。

｢人の役に立ちたい｣という創業当時の思いは、今や地域、社会、世界の課題解決に貢献する事業に。これからも多くの人に必要とされる製品を届けるために、人を思う姿勢を軸としながら、新たなステージへと挑戦は続きます。