激辛ラーメン誕生のきっかけは“地元愛”株式会社 Hell Company [ 大分県大分市 ]
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2007年創業。看板商品である元祖別府地獄ラーメンをはじめ、数々の激辛商品を大分土産として定着させた『ヘルカンパニー』。大分県産品を使ったレトルト商品の開発にも積極的に取り組んでおり、大分県産牛100%のゴロゴロドン!丼が「フード・アクション・ニッポン アワード 2020」に入賞するなど高い評価を得ています。また、コロナ禍をきっかけに問屋業もスタート。現在は県内外180社とのお付き合いがあり、卸先もJR、空港、大手スー パー、全国チェーンの量販店、自衛隊など多岐にわたります。
創業のきっかけは「地元を盛り上げたい」という熱い想い
看板商品「元祖別府地獄ラーメン」をはじめ、本格激辛カレースナック“別府地獄カレー”、激辛血の池地獄カレー、激辛地獄肉味噌、地獄柿ピーなど数々の激辛商品を開発・販売するヘルカンパニー。メディアがこぞって紹介したこともあり、今や一風変わった大分土産として定着。別府地獄=激辛というイメージも浸透しました。
「会社設立のきっかけは、ラーメンが好きなことと、地元愛かな(笑)。私は別府育ちなんですが、同じくらいの年代の人ならみんな別府が大いに賑わっていた時代を知っています。その賑わいを取り戻したい。大好きな別府を、大分を盛り上げたい。大分を代表する土産(ご当地)ラーメンがあれば観光振興の力になるんじゃないかと思ったんです」そう話すのは代表の田鶴原さん。大分といえば温泉、温泉といえば別府、別府といえば地獄、地獄といえば激辛…とイメージを繋いでいき、日本一の湧出量を誇る別府に相応しい、日本一辛いラーメンをつくろうと決意したといいます。
(左)看板商品の「元祖別府地獄ラーメン」。(右)大ヒットした「本格激辛カレースナック“別府地獄カレー”」
会社の転機となった「おんせん県宣言」
ハバネロをメインに使い、試行錯誤を重ねて完成した「元祖別府地獄ラーメン」。そのまま食べれば激旨とんこつ、地獄の素を入れると激辛に…とこだわり溢れる逸品ですが、発売当初は全く売れなかったといいます。「現実は甘くなかった。当時はまだ激辛商品が一般的ではなかったのもあって、土産物屋に営業をかけても全く取り合ってもらえなくて」。いわゆる土産物を扱うのは初めて。ノウハウもなくどうしようかと悩んでいたタイミングで大分県が「おんせん県」を宣言し、これが大きな転機に。
「私たちの目標は大分を盛り上げることですから、自社商品に大分の新たなアイコンであるおんせん県マークをつけたい、つけるべきだと思ったんです。いずれおんせん県マークが浸透すれば、ヘルカンパニー商品を手に取った人が大分を思い出し、足を運ぶきっかけになる。理想ですよね。土産物におんせん県マークをつけたのはうちが初めてじゃなかったかな」。思い立ったら即行動。手始めに2週間でおんせん県クッキーを完成させたところ、「うちに置いて欲しい」という問い合わせが殺到。空港、JRなど販路が一気に拡大し、激辛商品も徐々に置いてもらえるようになったといいます。「一番のよかったのは、横のつながりができたこと。商売には人との出会い、絆が何より大切だと痛感しました。県や市のサポートもありがたかったですね。大分県の産品展示商談会のご案内をいただけるようになり、県外との取り引きも増えました」。田鶴原さんは懐かしそうに当時を振り返ります。
会社の転機となった「日本一のおんせん県クッキー(在庫限りで終了)」。
コロナ禍で“四方よし”の問屋業もスタート
2016年に超有名YouTuberが元祖別府地獄ラーメンの辛味の素を単体で商品化した「地獄の一撃」を紹介したことで、ヘルカンパニーの名は一躍に全国区に。人気テレビ番組でも定期的に取り上げられるなど、激辛の定番として多くの人に認知されるようになりました。さらに、激辛商品と並行して大分県産品を使ったレトルト商品も数多く開発するなど順調に歩みを進めていましたが、2020年、思いもよらぬ試練が訪れます。そう、新型コロナウイルスの流行です。土産物の売り上げはなんと8割減。業績は一気に下降し、対策として始めたのが問屋業でした。
「いくつものお取引先が応援のために余った在庫を引き取ってくれて…。ありがたかったですね。もちろん、苦しいのはうちだけではありません。同業者はみんな同じ。そのうち要望に応じて他社の土産物も扱うようになり、気がつけば問屋業が9割になりました。うちも他社も助かるし、お取引先もお付き合いのない会社の商品を気軽に置ける。土産の種類が増えれば消費者も喜ぶ。“三方よし”ならぬ“四方よし”です。利益をしっかり確保してもらうために問屋の手数料を最低限に設定こともあり、いつの間にか180社と取引をするまでに至りました」。現在は、全国チェーンの量販店や自衛隊と契約するなど、問屋業の分野でも着実に業績を伸ばしています。
看板商品の「元祖別府地獄ラーメン」
大分県産品を使ったレトルト商品
人気YouTuberが紹介したことで有名になった日本製激辛デスソース「地獄の一撃」。
激辛商品のほか、大分県産品を使ったレトルト商品も数多く開発。
安くて、旨い商品を“大分で”つくりたい
数々の商品を開発してきたヘルカンパニーですが、“大分のために良い商品をつくりたい”という熱意は尽きることがありません。「最終的な目標は大分で完結すること。今は金額の関係で県外企業に製造を依頼(OEM)していますが、大分の企業が、大分県産品を使って、大分県の工場で製造する。それより地元の企業や生産者が潤い、大分が元気になればこれほど嬉しいことはありません。私たちはたくさんの人、企業に助けてもらいましたから、恩返ししたいという思いもあります。そのために企業努力を重ね、安さも追求していく必要があると考えています。今の時代、どんなに良いものでも高いものは気軽に手に取ってもらえないですから」。
自衛隊に納品している食品(演習に持っていくレトルト食品など)に関しても「今以上に安くて旨いもの大分でつくりたい。大分県産品を使えたら最高ですね」と意欲を見せる田鶴原さん。これまで築いてきた人のつながり(絆)を力に変え、これからも大分のために走り続けます。
代表取締役 田鶴原 洋さん
営業所の横にあるヘルカンパニー直営のラーメン店「NOODLE」。
豚骨、醤油、味噌豚骨などの通常メニューに加え、想像を絶する激辛チャレンジメニュー「地獄らーめん(大魔神Version)」が楽しめます。
株式会社 Hell Company
PROFILE
- 代表取締役
- 田鶴原 洋
CONTACT
- 住所
- 大分県大分市賀来南1-18-42
- TEL
- 097-549-2597
- FAX
- 097-549-1077
- メール
- Info@hell-company.com
- HP
- https://hell-company.com