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大分県産加工品の新たな可能性を探る
― アレンジレシピ提案会レポート ―

おおいた食品産業企業会と 坐来大分 は、県内食品事業者の商品力向上と販路拡大を目的に、新商品開発に共同で取り組んでいます。昨年度は、既存商品の魅力を引き出すレシピ開発を行いましたが、本年度はさらに一歩進め、ゼロからの商品づくりにも挑戦しました。市場のニーズを意識しながら、大分県産加工品の新たな可能性を形にすることを目指しています。 飲食店、小売、バイヤー、EC、食品卸など多様な業種の皆様にご参加いただき、試食を交えながら意見交換や商談が行われました。メニューへの導入や、売場での展開イメージを具体化できる貴重な機会となりました。 本レポートでは、当日の様子をご紹介します。
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イベント名:県産加工食品アレンジレシピ提案会
開催日:2026年2月10日(火)12:00~14:30 
実施場所:坐来大分(東京都千代田区有楽町2丁目2-3 ヒューリックスクエア東京3F)
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◼️目次

1. 県産加工品を活用したアレンジメニュー提案
2. 坐来大分と事業者が共同開発した新商品のご紹介
3. バイヤーの声
4. 食のたすき案内人からのコメント
5. さいごに

 

1.大分の食に、新たな息吹を。櫻井料理長がアレンジする「県産加工品」の可能性。

櫻井料理長が掲げたコンセプトは、「県産加工品の可能性を広げ、日常使いから付加価値提案までを実現する」こと。既存商品の強みや素材の魅力を活かしながら、新たな食べ方や提供シーンを提示し、これまでとは異なる切り口で商品の魅力を引き出しました。

<驚きのアレンジメニュー>

◯大葉醤油で味わう白菜としらすのキッシュ
事業者:ユワキヤ醤油株式会社
活用商品:「かける大葉醤油」

和の調味料が、洗練された洋の一皿に。
大葉醤油の爽やかな香りをアクセントに、和の旨味を重ねたキッシュ。
洋風メニューでありながら、県産調味料の個性が際立つ構成でした。

◯椎茸とニラ醤油で仕上げた蒸し大入島オイスターの菲油葱掛け
事業者:株式会社茂里商店
活用商品:「しいたけ&にら醤油漬」

海の幸と山の幸、旨みの相乗効果。
大分県産原木椎茸の旨味を出汁で引き立て、素材の力をストレートに感じられる一皿。
さらに県産牡蠣との組み合わせにより、意外性と新たな発想の広がりを感じました。

◯フレッシュバジル薫る鶏むね肉のバジルフォー
事業者:株式会社ファインド・ニューズ
活用商品:「フレッシュバジルソース」

異国の風を大分の素材で。
フレッシュバジルの香りを主役に、軽やかで食べやすい味わいに仕上げたフォー。
県産素材をエスニックメニューに展開する、発想の広がりを感じる一品でした。

◯キウイソースでマリネした日出ポークロースト
事業者:株式会社ムクノ
活用商品:「キウイペースト」

フルーティーな酸味が、肉の旨みを極限まで引き出す。
キウイの爽やかな酸味を活かし、豚肉をやわらかく引き立てた一皿。
フルーツを主役級のソースとして活用した点が印象的でした。

◯発酵ジンジャーシロップで仕上げたトマトコンポート&ジンジャーシロップジュレ
◯発酵ジンジャーシロップで薫る甘辛ジンジャーアイスクリーム
事業者:株式会社後藤製菓
活用商品:「発酵ジンジャーシロップSweet HONEY」

飲料用途を超えた、シロップの新たな活用へ。
トマトの酸味と発酵ジンジャーの奥行きある辛味が調和した、新感覚の組み合わせ。
アイスは発酵ジンジャーの香りと刺激を活かした“大人向け”の味わいで、甘さの中にキレを持たせた、食後にも適した一品。

◯へこ焼きクレープシュゼット仕立て
事業者:南光物産株式会社
活用商品:「ざぼん漬」

大分の伝統銘菓が、華やかなデザートに変身。
ざぼん漬けのほろ苦さと柑橘の爽やかな香りが重なる和スイーツでした。
郷土菓子を現代風に再構築した、新たな楽しみ方の提案といえます。

<櫻井料理長コメント>
今回の提案会を通してあらためて感じたのは、大分県の事業者の皆様の熱量の高さです。どの商品もすでに完成度が高く、強い想いを持って作られています。その一方で「この商品をどうすればより幅広く届けられるのか」というご相談を多くいただきました。そこで今回は、既存商品の魅力を活かしながらも、より多くの皆様に活用イメージを持っていただけるよう、「アレンジ」という方向性に注力しました。さまざまな業態の方々が具体的に売場やメニュー展開を想像できるよう、食材の組み合わせや提供方法を工夫しております。
大分は“豊の国”と呼ばれるほど食材が豊富な土地です。相性の良い組み合わせや新しい可能性はまだまだあります。今後も事業者の皆様や行政とも連携しながら、大分の食の魅力を継続的に発信していきたいと考えております。


2.
櫻井料理長と事業者が挑んだ「ゼロからの新商品開発」

◯大葉のおにぎり(ユワキヤ醤油株式会社)
<櫻井料理長>
「規格外となった大葉」の活用について相談を受けたことが開発のきっかけです。乾燥タイプが主流のふりかけですが、今回はあえて「しっとり感」を残すことで、大葉本来の鮮烈な香りを活かした商品に仕上げました。

<取締役 門脇裕一郎さん>
大葉は一枚一枚が薄く加工する工程は難易度が高いものでしたが、提携企業と連携しながら、なんとか完成しました。今後も皆様のご意見を伺いながら、さらに磨きをかけていきたいと思います。

 

◯アイスクリーム(株式会社ムクノ)
<櫻井料理長>
新商品のコアコンセプトは、地域のプレミアム素材を前面に押し出すことにあります。
2種類のアイスクリームを開発しました。1つ目は、濃厚な色味と味わいの安心院産ワインを使用し、果汁46%以上というリッチな仕上がりを実現。2つ目は、日本酒 「西の関」の純米酒と大分県産の希少な苺「ベリーツ」を組み合わせました。あえてアルコールを残すことで大人向けの味わいに仕上げています。

<部長 向野雄一朗さん>
ミルクは一切使用せず、大分県産のお酒とフルーツのみで構成しています。ベリーツのピューレを加え、素材本来の味わいを楽しめるアイスになりました。


3. バイヤーの声 

信頼の証は、産地の明確さにある。
当日、イベントに参加した業務用飲食材の卸売業を営む企業の方にインタビューをしました。
株式会社イーシェアズ
代表取締役 穐吉さま  営業本部 上野修さま

Q1.本イベントに参加したきっかけを教えてください。
弊社は首都圏の飲食店卸として、代表のルーツである大分県の食材普及に注力しております。県とも長年密な連携を続けており、本イベントへの参加もその一環です。会場には既にお取引のある方や旧知の方々も多く、改めて地域一丸となって大分の魅力を発信したいと考え参加しました。

Q2.印象に残ったメニューはありますか?
特に印象深かったのは、ジンジャーシロップを使用したアイスクリームです。これまで飲料用としての活用が主だと考えておりましたが、デザートへの展開には大きな可能性を感じました。「大人のデザート」としての付加価値も高く、今後のメニュー提案の幅が広がるヒントをいただきました。

Q3.仕入れで重視するポイントを教えてください。
仕入れにおいて最も重視しているのは、「大分県産〇〇」といった産地の透明性です。トレーサビリティが明確な食材は、飲食店様へのご提案においても非常に強力な付加価値となります。 また、今回初めて出会った『ひた山椒』のような希少性の高い食材は、市場でも大きな可能性を秘めています。こうした隠れた逸品を掘り起こし、首都圏をはじめ全国の皆様にご紹介していくことに、卸としての大きな意義と面白みを感じております。

Q4.どのような情報が発信されていたら便利ですか?
まず、「どの展示会に、いつ出展するのか」というスケジュール情報が事前に発信されていると非常に助かります。情報が公開されていれば、私たちも能動的に動くことができ、サポートの体制も整えやすくなるからです。 また、出展後も名刺交換をした方々へ、来場の有無に関わらずメール等で継続的に情報を届ける仕組みがあると良いですね。過去の来場者も含め、地道に社名や情報を発信し続けることが、最終的には信頼構築や取引のきっかけに繋がると考えています。

 

4. 食のたすき案内人より

本イベントは、事業者の皆様とご来場いただいたバイヤー等の皆様双方に非常に有益なものとなったと実感しています。現在までにトータルして20件以上の商談が行われ、既に成果につながったという声も聴いています。参加された皆様にとって実りのある会となったことを心から嬉しく思います。
本事業は、令和6年度よりスタートし、初年度はアレンジレシピの開発。そして今年度は、レシピ開発に加え、新商品開発にも挑戦しました。実際に2品の新商品が誕生し、ご来場いただいた皆様からも好評をいただきました。令和8年度は、過去2年で誕生したアレンジレシピ、新商品の市場接点を拡大する取組を実施したいと考えています。この度誕生した実用性抜群のレシピと魅力あふれる新商品を都市圏の皆様に広く知ってもらうべく、大分県東京事務所等との連携をさらに強化していきます。

 

5.さいごに

それぞれの味わいの特長や素材の個性を踏まえ、これまでに無かった新たなアレンジ方法が紹介されました。商品の可能性を広げる提案に対し、参加者からは海外展開の可能性やOEMでの対応、ロット数に関する具体的な相談など、前向きな意見が寄せられました。大分の食が全国、そして世界に広がる確かな手応えを感じる場となりました。

 

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